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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
先生遙かに此の事を聞き歎じて曰く、嗚呼古言に曰く、百姓罪あらば罪朕が身にありと至言といふべし。上仁なる時は民義あり、上信なる時は民礼あり、上恵なる時は民其の恩を報ず。上無道なる時は民亦暴なり、君貪る時は民心汚悪に流れ、放僻邪肆至らざるところなく衰亡の禍発す。治乱盛衰存亡安危悉く民にあらずして上人君の政にあり。譬ば影の形に応ずるが如し。今相馬の貧村無頼弊風極りたりといへども、一度仁政を施し之を恵恤するに至りては、人民旧染の汚俗をすゝぎ貧苦を免れ、固有の善心を発し報恩の志導かずして発動せり。是に由つて之を見れば天民何ぞ不善者あらんや。未だ善ならざる者は人君仁政の至らざるが故なり。苟くも上の仁心余りある時は、何ぞ国の盛んならざる事を憂へんや。一二の邑此の如くなる時は、天下万億の邑民も同一なりと。門人之を聞き弥々良法の顕然たることを歎美せり。 後領民弥々仕法を慕ひ争ふて業を励み、歎願止む時なし。年々発業の村数五十ヶ村に及び、安政三年に至り開業以来既に十年なり。全く旧復する処の村数十五邑にして領中旧来の惰風一変し、専ら勤業に赴き廃地を開くこと数千町、分度外の産穀万有余苞、毎歳連綿貧村を旧復し人民を撫育せり。十年間撫恤の用材多しといへども、本源立つて動かざるが故に、弥々恵みて弥々尽きず。先生曰く、国本を立て恵民の道を行ふこと既に十年約の如くせり。十年一節分度の改正を行ふべし。是に於て六万六千苞の分度を増して七万余の分度となし、国の用度一藩の扶助其の至当を以て之を分賦し、後十年の分度を定む。一藩諸士積年の困苦を補ひ、君恩の忝なきを感じ、良法の良法たる所以を弁へたり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年06月13日 05時36分35秒
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