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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
子は大に異也。身は安居し妻子を其処置を得、孫ありて相続の道安心せりと云。加之祖先以来財余りありといへども、分を知りて古家に住せしを、何ぞや上下艱難又再栄の道も廃れ、永久の大患を生ぜんとする時に当り、数百千金の財を費し、斯如華美の家を作れるや。上下の患難を見ば凡庸だも猶斯如所行を為に忍びず、況や有志のものに於てをや、何ぞ初発の言に相反する事爰に至るや、我を欺くのみにあらず、是其君を欺き、上下の貧困を度外にし、一己の安居を計るにあらずして何ぞや。嗚呼惑ひたりといふべし。良法国に行れ憂ひ去り、民優なれば君安く、臣下其福を受く。国道なく君労し、民苦しみ衰弊極る時は、富を持するものの災害皆是に集り、上下の怨望も亦一家に帰す。仮令金鉄の居を作り、子孫の安きを求も、亦何ぞ全ふするの理あらんや。子それ是を顧よ。中兵黙然として答ず。 右、先生下館戌年以来之御仕法何となく相流居、初発先君公御直書を以厚御頼仰入られ、御役々同断御頼之有候甲斐もなく、又止事得ず御衰微御立直、旧復永安之御仕法一身に替、万苦を甘んじ、御世話申上られ候詮もなく、一国御上下之御憂は申及ず、先生今日之御奉公御進退にも拘り候儀に付、余儀無中兵居住に於、取捨御決断之御談合之有候処、的論明言百分一も相認度、病床に於て苦痛を忍び筆を執候得共、短才不知之及所にあらず。只自ら遺忘に備んが為千言之一を記す。然れども其深意を失もの多からん。愚蒙之筆を立て却て高徳を損する之憂少からず、故に他見をゆるさず。 于時嘉永三庚戌十月十五日 *本書の表紙に「富弘道識」と富田高慶が自書。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年08月21日 01時06分23秒
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