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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
二宮先生語録巻の3 【335】
【三三五】稲種を播けば、則ち稲草を生じ、稲花を発き、稲実を結ぶ。一種にして草となり花と為り、時に其の形を異にすと雖も、遂に一種に帰す。余嘗て和歌を詠じ、以て世人を戒むなり。貧人他財を借り、以て居室を飾り、以て衣服を美にし、以て酒食に飽く。恰も富人の如し。然れども日ならずして貧困に帰す。比比(いずれも)皆是れなり。然れども其の人に対し、其の非を責れば、則ち反て憤怒を発す。故に和歌を咏じ、以て之を戒め、人をして敢て憤怨せず、以て反求せしむ。是れ猶ほ斧鋸(おの・のこぎり)を轓根錯節(入り組んだ木の根)に用いずして、無根の地を掘れば、則ち高木風に遇へば自ら仆るごとし。 1『報徳秘稿』一一六「夫れ、仏説の妙なる事、或いは弥陀と説き、或いは薬師と説き、或いは極楽と説き、或いは地獄と説く。人の身の上と云う事知らぬ遠くの咄(はなし)をするが如く、人の気に障らず。たとえば、木をきるが如き、根のなき所へ鍬を打つ時は、木しらずして倒る也。又穢物を捨てんと欲する時は、けがれぬ処より鍬を打ち入るべし。然る時は鍬も庭もけがれず。穢物計り取らんとする時は、庭も鍬も共にけがるる也。是人の念のなき所を云いて悟らしむる術也。木の根のなき所、人の念のなき所なる故、根にもさわらず気にも障らぬ也。我が帳も又是に同じ。米まけば米草はえて米の花さきつつ米の実る世の中 麦も粟も其の通りと、人の事を言わずして則ち人の事也。何れの帳も皆其の雛形也。予思うに、仏に所謂天人と云うものは、吾が国に所謂雲の上人ならん。形を画く時に至りて、或いは羽衣を画き、或いは鳥の足を画くならん。此の如きの者、有るの理なし。夫れ、雲の上人は恒に堂上に生まれ、行くに車にのり、故に之を譬て、空中に住するが如し。仏に所謂天人は必ず是を指すならん。」 2 「日光御神領村々荒地起返方仕法雛形」は、日光神領のため作られたものであるが、内容はどこの土地にも適用できる普遍的なものである。「日光神領の文字、誠に妙なり、世界のことと見て可なり」とある。「日光雛形」の「百行勤惰得失先見雛形(甲六冊)」は、金利の増殖の例を示して、この利殖を我欲とせず、金利を活用すれば、荒地を沃野とし、衰廃を復興し得る方法であることを明示している。「先見」は、真の姿を前もって知り得ることであり、「雛形」は、手本でありその様式を指している。天地間の植物の無い処に、一種が開花すれば、千万年も年々歳々、不止不転し、一種が数百数千粒を生み、一両の財貨は、数百両千両と増す、との説明文を前に掲げ、次に百種百草の歌がある。米蒔けば米草生えて米の花咲きつつ米の実のる世の中と米・麦・稗・粟・黍・豆・瓜・茄・蕪から樫まで順に同様の歌を並べて、百種百草の各々が輪廻転生を繰り返すごとくに、永遠の増益を見るという結果を示している。善悪・正邪・曲直・貧富・受施・貸借・貪欲等も同様であり、「百行勤惰」によって得失のあることは、万代不易の真理であることをさとしている。 《訳》稲の種を播けば、稲の草を生じ、稲の花を開き、稲の実を結ぶ。一つの種から草となり花となり時にその形を変えても、遂に一つの種に帰する。私は以前和歌を詠じて世の人を戒めた。貧しい人が他人から借金して、住居を飾り、衣服を美しくし、酒食にあきること、金持ちのようにしても、日ならずして貧困に帰する。いずれもこれじゃ。しかしそんな人に対してその非を責めれば、かえって怒りだす。だから和歌を詠んで、これを戒め、人を怒りださせないで反省させる。これは斧やのこぎりを入り組んだ木の根に用いるのではなく、根の無いぐるりの地を掘れば、高い木が風にあって自ら倒れるようなものじゃ。 クロムウェル伝その18(『ボーイズ・ビー・アンビシャス第5集』より) (一三)三回の演説 自己否定律 次の六か月間は、上下両院その他で時々大討論があって、新気運発展の準備時代、計画時代であったが、その結果、有名な「自己否定律」や「新式軍隊」の出現となって、これが議会の仕事に一新期を画した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年07月25日 01時51分10秒
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