全て
| 報徳記&二宮翁夜話
| 二宮尊徳先生故地&観音巡礼
| イマジン
| ネイチャー
| マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界
| 宮澤賢治の世界
| 五日市剛・今野華都子さんの世界
| 和歌・俳句&道歌選
| パワーか、フォースか
| 木谷ポルソッタ倶楽部ほか
| 尊徳先生の世界
| 鈴木藤三郎
| 井口丑二
| クロムウェル カーライル著&天路歴程
| 広井勇&八田與一
| イギリス史、ニューイングランド史
| 遠州の報徳運動
| 日本社会の病巣
| 世界人類に真正の文明の実現せんことを
| 三國隆志先生の世界
| 満州棄民・シベリア抑留
| 技師鳥居信平著述集
| 資料で読む 技師鳥居信平著述集
| 徳島県技師鳥居信平
| ドラッカー
| 結跏趺坐
| 鎌倉殿の13人
| ウクライナ
| 徳川家康
カテゴリ:ネイチャー
4月9日
西浦博(にしうら・ひろし)京都大学大学院医学研究科教授 大阪では現時点で8割が英国株の感染者です。これまでに大阪では見たことのないスピードで感染者が増えています。 大阪ではICU(集中治療室)に入っているか、人工呼吸をつけている重症患者が増加しており、既に重症病床の9割を占めていて、このペースで患者が増えると間違いなく重症患者があふれます。 感染研のFETP(実施疫学専門家養成コース修了者)は、この数ヶ月大阪をはじめ、ものすごく活躍しています。一つ一つのクラスターの火消し隊をやり、どこで感染が起き、これまでと何が違うかを必死に把握しようとしています。宮城でも北海道でも同じことが展開されています。 また地元の保健所は保健師さんが丁寧にインタビューして情報を把握しながら流行対策をしています。 しかし大阪をはじめ感染者が現時点で既に多過ぎて、彼らの調査が追いつかないところまできています。感染している場が追えず、一部ではギブアップ状態です。変異株の伝播の場に関する状況もそれでつかみ切れなくなっています。 これまでの流行では、感染者がどこにいるのかを皆で丁寧に調べて、接待を伴う飲食店や飲食業でリスクが高いことがデータで推測できていました。 しかしそのデータがきちんと把握できないぐらい感染者が増えています。 京都市の公表データも見ているのですが、多くの人たちは家庭の中で感染していたり、職場だったり、友人からだったり、飲食店だけではなくなっています。感染の場が多様化しているのです。 第3波で感染者が増えた時も半分以上の接触がわからない状況でしたが、そのほとんどは飲食店の接触のはずだと思い切って推測して時短要請がなされました。でも今回の波では、推定するための兆しのようなものが調査で上がる前に、感染者数が増えています。 これまでに見られない場のうち、急増しているのは、学校や児童施設、集団での労働者環境、スポーツの場などです。今まで想定していなかったようなところでも急増していて、必ずしも典型的な感染の場ばかりでなくなっています。 英国株と従来株の人口あたりの感染リスクを比べていますが、17歳までの子どもでは、変異株の感染リスクが1.6~1.8倍に増えていることがわかります。 学校や児童施設で二次感染が起きていることを裏付ける結果です。 首都圏に関しては正しいタイミングで重点措置が出ていると思っています。 一方で、大阪、兵庫に関しては今は緊急事態宣言を出す時だと思っています。 大阪は重症の患者が多過ぎます。変異株で治療に当たる先生たちが戦慄を覚えているのが伝わってきています。これまでと何が違うかと言えば、これまでより若めの大人たちが感染し、重症化する傾向があります。 20代、30代でも酸素吸入を必要とする人が結構います。これまでになかったことです。 それにプラスして、ちょっと基礎疾患があるくらいの40、50代が人工呼吸を必要とする可能性が従来株よりも少し高くなっています。重症化するまでの日数も従来株より1日早くて、治療現場の素早い対応が求められています。 今まではベッドが足りないとしても、後期高齢者は積極的な治療ができずそのまま看取られることがありました。 一方、一家の大黒柱でまだ子どもを育てないといけない40、50代が感染した場合は積極的治療が適応になる場合が増えます。そのような患者が増えれば、これまでの重症患者と質が違ってきます。 大阪の重症患者が重症病床の9割を埋めている時点で実効性のある対策を打てないのはすごく問題だと思っています。こうした患者があふれた場合、医療現場で見殺しになる人が出てくるでしょう。早く手を打つべきです。 ★【速報】大阪府で新たに918人の感染確認 過去最多 感染者7人が死亡 4/10(土) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月10日 20時24分42秒
[ネイチャー] カテゴリの最新記事
|