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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
報徳日めくりカレンダー(発行 報徳学園報徳教育部)
何様(いかなる)異変にても失敗なき工夫がありたきものなり 「土木工事など、どんな大水などあってもビクともしないようなしっかりした工事をしておく、こうしたやり方が『大業をなす秘訣』だというのである。」 二宮翁夜話巻の2 【19】 三河国吉田の郷士に、高須和十郎という人があった。舞坂の宿場と荒井の宿場の間に港を造ろうとくわだて、絵図面を持って来て、尊徳先生に成否を聞いた。尊徳先生はおっしゃった。「あなたが説くとおりであれば、心配するところはないようだが、大海の事は予測できないものだ。往年の地震で、名勝をうたわれた象潟(きさがた)は、地形が変わって景色を失ってしまい、大阪の天保山は、一夜でできたという。これは近年の事である。このような大業は、実地に臨んで見分しても、容易に成否を決定できないものだ。ましてや絵図面だけではなおさらのことだ。このような大業をくわだてるには、万が一失敗がある時には、このようにしようというひかえの堤防のような工夫はあるのか、またどのような異変があっても、失敗しない工夫がありたいものである。そうでなければ、あなたのためにに贊成する者は、ともに成仏する事がないとも言いがたい。そのような変事が起こって対応できず失敗する時は、山師という非難があろう。私が先年に印旛沼の堀割り見分の命令を受けた時、どのような変動にあっても、決して失敗しないように工夫したものだ。たとえ天変はなくても、水脈や土脈を堀り切る時は、必ず意外の事があるものだ。古語(中庸)に、『事前に定まればつまずかず』という。私が異変ある事を前に定めて計画をたてたのは、異変を恐れず、異変につまずかない方法である、これが大事業を行うときの秘事である。あなたもこの工夫がなくてはならない。そうでなければ、第一に自分が安心できないであろう。古語に、『内に省(かえり)みてやましからざれば、何をか憂え何をかおそれん』とある。そうであれば天変をも恐れず、地変をも憂えざる方法の工夫を先にして、大事はなすべきである。 『信濃川改修工事』青山士 抜粋 「水位の昇降に応じ電力又は人力を用ひて之を開閉せしめ、以て数位の調節に遺憾なからしむる」 「絶対に地下透水なからしめん事を期した」 「将来基礎の一部に損傷を生じたる場合にも被害を一径間に局限せん」 可動堰工 破壊陥没せる自在堰は更に之を補強修理の途がないので、其上流百米の位置に新に可動堰を造る事にした。其全幅員は一八〇米で、幅員三米五で、各水路に幅一六米、高二米九のストーニー式鋼扉を備へ、扉頂標高(+)一二米二五とし、水位の昇降に応じ電力又は人力を用ひて之を開閉せしめ、以て数位の調節に遺憾なからしむるのである。 基礎は幅員三五米の上流端と下流端とを長夫々一二米及一一米の鋼矢板を河底迄打込んで之を締切り、其尖端を夫々標高(-)二米八五及(-)二米四五に達せしめて絶対に地下透水なからしめん事を期したのである。更に之に直交して橋台及橋脚毎に長一四米五の鋼矢板を尖端標高(-)一米迄打込んで隔壁とし、基礎混凝土施行後上部は之を切断するのである。蓋し本隔壁は之を工事中の締切壁に兼用すると共に、将来基礎の一部に損傷を生じたる場合にも被害を一径間に局限せんが為であつて、基礎混凝土厚は敷平均六〇糎(センチ)、基礎版一米五五にして、橋脚部は幅員五米の間を鉄骨混凝土構造、其他は全部鉄筋混凝土構造とし、且縦横に伸縮接合を設けて亀裂防止を計つた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月10日 13時31分52秒
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