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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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小野寺秀也

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2015.11.06
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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き

 11月4日の朝日新聞の3面に「もんじゅ 異例の勧告案」という記事が出ていた。と、パソコンで打ちこんだら「慰霊の勧告案」と誤変換された。日本語としては変だが、イメージはしっくりする。ちょっとばかりATOKのセンスに感心した。

 原子力規制委員会は4日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を安全に運転する能力が日本原子力研究開発機構にはないとして、新たな運営主体を明示するよう馳浩文部科学相に勧告すると決めた。

 勧告なので法的拘束力はないものの、実質的には「もんじゅ」に引導を渡したように思える(勧告する側も受ける側も自覚がないにせよ)。日本原子力研究開発機構の前身は、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構で、少なくとも日本の原子力工学を先導してきた国の研究開発機関で、その分野ではトップクラスの人材が集まっていたはずである。勧告を出した規制委員会の田中俊一委員長も日本原子力研究所に在籍していた。
 1995年のナトリウム事故以来、実質的に実証炉としてなんら「実証」実験ができなくなっていた事実そのものが、工学(技術)的に事故を乗り越えることが困難であったことを「実証」したのだったが、今回の勧告は、運営(人文・社会)的な能力も欠如していることを明確にしたのである。
 しかし、新しい運営主体は見つかるとは思えない。機器の点検漏れや虚偽報告など8回もの保安規定違反を繰り返したのは、あたかも高速増殖炉の技術的困難はないかのように見せるためには、そうするしかなかったと考えるのが自然である。「安全に運転する能力」とは、安全を担保する技術的能力を前提とするが、国内で日本原子力研究開発機構に所属する人材以上の能力を有する技術者集団は考えられない。つまり、運営主体を替えても技術的能力が高まる可能性はほとんどない。ヘタをすれば格段に低下する。
 行政事務的な運営主体なら変更は可能だろうが、素人が口出しをすれば「もんじゅ」の安全性の担保はいっそう絶望的になるだろう。最近はとくに「政府が先頭に立って処理をする」だとか「私が責任を持つ」などという言辞で事態を悪化させる例が続いているだけに、科学技術に無知な人間の口出しは恐ろしい。
 どう考えても「もんじゅ」を廃炉にするしか道はないのである。世界中で高速増殖炉にしがみついているのは日本だけだ。1991年に試験炉も実証炉も諦めたドイツに続いて、1994年にはアメリカとイギリスが、1996年には原子力大国フランスですら高速増殖炉の開発を断念した。茨城県大洗町の試験炉「常陽」も福井県敦賀市の実証炉「もんじゅ」も廃炉の決断時である。それが、誰かが好きな「世界最高水準」の政治判断というものだろう。

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集会@元鍛冶丁公園。(2015/11/6 18:13、16)

 年に何回かの仕事があって1泊で岩手県に行っていた。午前中で仕事は終わったが、家に帰り着いてたいして休む間もなくデモのために家を出た。それでも、いくつかある脱原発デモの集会場所のうち元鍛冶丁公園と肴町公園は家から近いのでいくらか助かった気分になる。

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フリー・トーク。(2015/11/6 18:17~26)

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熱心なリスナー(スピーカーは尻尾の先の方)。(2015/11/6 18:26)

 主催者挨拶の後、フリー・トークは、11月1日に松山市で開かれた「伊方原発の再稼働を許さないための全国集会―福島をくり返さない―」への参加報告から始まった。
 続いて、10月24日の映画『首相官邸の前で』の上映報告がなされた。400人近い人たちが上映会に集まり、上映後の監督・小熊英二さん(慶応大学教授)の話には150回を超えて続けられているみやぎ金デモも話題となったことや、観客のなかから脱原発デモへの参加者が生まれる期待などが語られた。
 他にいくつかイベントの告知や案内もあった。

【第2回 安保café】
  「(今さら聞けない)安保法問題の基礎知識」
  話題提供:小宮友根さん(東北学院大学准教授)
  日時:11月26日(木)19:00~21:00
  場所:book café火星の庭
  主催:安保関連法に反対する被災三県大学教員有志の会」

【風の会・公開学習会 vol.7】
  「福島原発事故から、女川2号機「適合審査資料」を斬る!」
  講師:石川徳春さん(仙台原子力問題研究グループ)
  日時:12月12日(土)18:30~20:30
  場所:仙台市市民活動サポートセンター6Fセミナーホール
  参加費:300円
  主催:みやぎ脱原発・風の会

【武藤類子講演会】
  「福島の現状:原発事故は終わらない」
  講師:武藤類子さん(福島原発告訴団団長)
  日時:12月13日(日)14:00~16:00
  場所:仙台弁護士会館
  共催:日本キリスト教団西仙台教会教区宣教部会委員会
      放射能問題支援対策室いずみ

【本の紹介】
  ノーニュークス・アジアフォーラム編著
  『原発を止めるアジアの人びと』
  発行:創史社 発売:八月書館
  定価:1500円+税

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まもなくデモ出発。 (2015/11/6 18:32)

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国分町を横断して。(2015/11/6 18:26)

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一番町へ入る。(2015/11/6 18:35)

 脱原発犬チョモランマさんを加えた55人は、早い日暮れが人を誘うかのように賑わってきた国分町や稲荷小路を横断して一番町に出る。 朝晩の冷え込みがきつくなってきているが、昨日と今日は日中の暖かさの名残のせいかそれほど寒くはない。

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コーラーのお二人。(2015/11/6 18:39、48)

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一番町。(2015/11/6 18:41)

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広瀬通りを横断。(2015/11/6 18:44)

 世界の原子力先発国家がすべて諦めたのに、どうして日本は高速増殖炉を諦めなかったのだろう。後発国の焦りか、日本の科学技術への盲信(盲信というのは科学に対する無知に基づく)や奢りのためだろうか。
 日本原子力開発研究機構の前身、日本原子力研究所や核燃料サイクル開発機構には、大学で机を並べていた友人たちが研究者として就職した。なべて優秀な学生たちだった。そのうちの何人かは、人生のかなりの部分を「もんじゅ」に関わっていた。とうに退職した彼らは、その「もんじゅ」の現状をどう思って見ているのだろうか。
 原子力工学を学んだ私は、いま、脱原発に一生懸命になっているが、それでも友人たちのことを思うと、少しばかりではなく感傷的になってしまう。福島事故の後の年賀状に、恩師が「彼らのことを思うととても切ない」と書いて来たことも思い出して、いっそう辛い気持ちになる。
 フランスと同じ1991年くらいに高速増殖炉開発計画を断念したとしても、研究者として盛りを迎えていた彼らがその後どんな研究生活を送ることができたか、もちろん私には想像できない。優秀な彼らであれば、新しいテーマで充実した研究生活を送ったかもしれない。たしかな想像はできないが、どこか悔しい感じだけは残るのだ。

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藤崎前を青葉通りへ。 (2015/11/6 18:44)

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東2番丁通り。(2015/11/6 18:58)

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チョモさんも解散。(2015/11/6 19:02)

 一番町広瀬通り付近は、待ち合わせて国分町に繰り出すらしい人たちでいっぱいだ。すっかり暮れてしまった午後6時半頃は待ち合わせ時らしい。1昨年も昨年も、暮れに向かってどんどん増えていく人出を抜けてデモをしていた。脱原発をアピールするには最適な場所だ。
 広瀬通りを渡り、藤崎前まで来ると「ぶらんどーむ一番町」から「サンモール一番町」に変わる。サンモール一番町」には、昨年と同じ青色LEDの電飾がもう飾り付けられている。11月に入ったばかりなのに、暮れの雰囲気が始まっている。ハロウィンの後はクリスマス。優秀な消費者大衆としての日本人の面目躍如(面目喪失?)といったところか。

 

        

読書や絵画鑑賞のブログ
かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)






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Last updated  2015.11.20 08:30:22
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