1昨年だったか昨年だったか、記憶は定かではないが、「国会議事堂前」で地下鉄を降りたつもりが、国会議事堂の裏手、たぶん衆議院議員会館近くの地上に出て、国会正門前までだいぶ歩いた記憶がある。
この夏に二度、安保法案反対で国会正門前に行ったが、「霞ヶ関」で地上に出て坂道を上るコースでなんなく辿りついたので、今日も安全を図って「霞ヶ関」で降りたのだが、夜の桜田通りで方角を失った。Google mapを開いて、何歩か歩いて、位置と方角を確かめた。
何度も方向を変えて地上に出ると、たいてい方角を失う。昼であればどうにかなるように思うが、周囲にネオン広告も看板もない同じようなビルが並ぶ夜間の官公庁街では四方が全く同じに見えるのだ。年に4、5回、やって来るだけではどうにもならない。アーバン・ライフなどどこの世界の話だろう。
官邸前の最前線。 (2015/11/13 18:33)
第1、第2のグループ。 (2015/11/13 18:34~44)
前回(5月22日)の官邸前抗議には大幅に遅刻したのだが、今日は何とか間に合った。まずは、コールをしている先頭までいって、そこから写真を撮りながら下って来た。
最後列まで下ってから引き返し、二番目のグループの後方に入ってコールに加わった。このグループの先頭近くでカメラを構えている目良誠二郎さんを見かけたので、列を抜け出して挨拶をした。
そこには何度かお会いした顔が並んでいた。挨拶をする間もなく、むとうちずるさんに「No 9 NO WAR」と「NO NUKES FRAGILE TAG」のステッカーを頂いた。前回の時は、「No 9 NO WAR」タグを頂いたし、ずっと前には「NO NUKES FRAGILE TAG」タグを頂いた。お会いするたびに何か頂き物がある。NNML TAG Projectというグループで、どんどん新しいアイテムを創り出しているのである。
頂いたステッカーをまずカメラに貼り付けた。私にとってカメラは必須のデモ・アイテムなのである。スマホにも貼ったが、これはデモ・アイテムとは言い難い。
自転車で周回抗議。 (2015/11/13 19:11、54)
このグループに混じって。 (2015/11/13 19:16)
第2グループの先頭に入らせてもらって、抗議のコールに参加した。首相官邸に向けてのコールなので、とても直截で感情が乗りやすい。それでも30分も過ぎると喉が痛くなる。
仙台で毎週の脱原発デモに参加しているといっても、コールで声を上げるデモの時間は30分くらいである。しかも、私は写真を撮るのにその半分ほどの時間はデモの周囲をうろうろしているだけだ。
途中でスピーチが入るとはいっても、さらに1時間のコールが続くのかと多少不安になったが、とても元気にコールしているまわりに合わせていると、あっという間に時間が過ぎていく。
(上)官邸を囲むビル群 。(2015/11/13 19:49)
(下)田渕俊夫《刻》1989年、紙本着彩145.5×112.5cm、名古屋市蔵 [1]。
コールの合間に首相官邸方向の写真を撮っていたとき、官邸の背後のビル群の風景に見覚えがあるような気分がした。そうだ。これは田渕俊夫の絵だ。渋谷の松濤美術館で見た田淵俊夫の日本画の中に、ビル街の絵があってとても印象的だった。その絵を思い出したのだ。
反原発ソング合唱団。(2015/11/13 18:27)
ぴったり20:00に抗議行動は終わった。みなさんに挨拶をして引き上げる。途中に地下鉄入口があるが、私はきたときに降りた「霞ヶ関」へと歩くのである。地下のラビリンスは避けて、距離があっても来た道を辿るのが私には安全なのだ。
抗議の列からずっと離れたところで反原発ソングを歌っているグループがいた。18:30前から歌っていて、20:00を過ぎても帰り足の人たちに歌いかけている。
さて、今度はいつになるだろうか。来年3月に東京に出る予定があるが、その前に一度くらいチャンスはあるかもしれない。官邸前では、少しばかり気持ちがしゃきっと入り直すような気持ちがする。
[1] 『いのちの煌めき 田渕俊夫展』(図録)(中日新聞社、2012年)p. 79。
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かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)