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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き
あっという間に桜が咲き切ったようだ。早朝、犬と散歩に出かけるのだが、なぜかカメラを持ち出す気分にはならない。数年前には、近辺の桜をことごとく写真に収めようと歩き回ったというのに今年はどうしてもそんな気になれない。
犬とのっそりのっそり散歩しながら、ユーチューブでその歌を探し出して聴いたりする。若い時には、多くの闘いの歌を聴いた。中には、経験とその記憶から歌うことを躊躇うようになった歌もある。「民衆の歌」にはそういう過去の記憶がない。それが良かったのかもしれない。
かつて「自由」という一点に結集する民衆がいた。いま、高度な消費社会で政治的イッシューは拡散し、ファッションのように誂えられたイッシューを消費するばかりのようだ。しかし、分散から集結へと様相が変わりつつあるように見える。原発と戦争法制と辺野古は、かつての「自由」の現代的表象のようだ。
4月8日の午後6時はかなり明るくなった。6時から始まる30分の集会の間に仙台の街は宵闇をまとっていくのである。 集会の主催者挨拶は、川内原発の運転差し止め訴訟の話題である。4月6日、九州電力川内原発1、2号機の運転差し止めの仮処分申し立ての即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部(西川知一郎裁判長)は、申し立てを却下した鹿児島地裁決定を支持し、住民側の抗告を棄却したのである。この判決の最大の問題点は、福島第一原発の事故原因も解明されず、事故の収束もおぼつかない状況で作られた新規制基準が「安全を確保するために極めて高度の合理性を有する」と言いつのっていることである。 続いて、東北電力本店前で抗議のスタンディングを毎週行っている人の挨拶があった。金デモのように市民に脱原発を訴える運動のとても大切だが、この仙台市に原発そのものを稼働させようしている企業があるのに直接抗議することも重要だと考えて行動されていると話され、デモ終了後に短時間でも参加してほしいと訴えられた。 映画『A2-B-C』の上映会の告知もあった。4月16日(土)13:00と16:00の2回、仙台市シルバーセンター6階第2研修室で上映される。この映画は、日本在住のアメリカ人監督イアン・ト-マス・アッシュさんが福島の子どもたちの起きていることを追いかけたドキュメンタリーである。 最後に、脱原発を広く訴えるために車にステッカーを張る取り組みについて話され、次いで、5月29日の「市民による女川原発の安全性を問うシンポジウム」の案内などがあった。
福岡高裁判決への落胆を憤りに変えて、45人のデモが勾当台公園を出発するころにはすっかり暗くなっている。遠く西の空にかろうじて夕べの色合いが残っているだけだ。
仙台の夜の金デモのコースの大半は一番町というアーケードのある明るい商店街で、けっこう恵まれたコースのように思える。仙台という地域の特性ともいえるが、しかし、一番町のどこを切り取っても仙台らしさというのはほとんど見られない。
先週の花冷えの金デモから一転、今日は暖かな春の夕べの街歩きになった。この週末の仙台は、最適の花見日和になるらしい。とはいえ、なぜか今年の私は桜花に心が動かないのである。それが全部の理由か定かではないが、一つだけ思い当ることがある。
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ヌードルランチ、ときどき花と犬(小野寺秀也) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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