「蝶々夫人」をDVDで観ました(オペラ勉強中💛)
オペラの「蝶々夫人」は実在の蝶々さんとは違うってどう違うんだろう。ということでオペラのDVDを借りてきました!島田歌穂さんのミュージカル→市川森一さんの原作「お蝶さん」にすっかり夢中の私の興味はオペラの「蝶々夫人」へ。作曲‥‥‥ジャコモ・プッチーニ 、イタリアオペラの大家。「トゥーランドット」も「RENT」のもとになった「ラ・ボエーム」もプッチーニ。他にもたくさんの作品を残している。蝶々さんを書いた小説が戯曲になり、それを目にしたプッチーニがオペラ化を切望し、「マダム・バタフライ」を書きあげた。日本大使夫人の大山久子さんの協力をもとに「さくら さくら」や「宮さん 宮さん」など日本の曲もおりまぜて。ところがミラノ、スカラ座での初演は失敗に終わる。理由はいろいろ挙げられたけれど、プッチーニさんは不屈。書きなおされたオペラは大評判を取り、上演回数を誇る人気のオペラに。そう言えば有名なアリアの「ある晴れた日に」、オペラっていうとソプラノで「あーる晴れたひー」と真似していたような気がする。そして、ちょいと前まで外国人の描いた日本人のイメージ、チョンマゲを結っていると思われていたり、ゲイシャガール!と外国の方がヘンな日本語を知っているのは、外国の人がこの有名なオペラから抱いたんだ、「蝶々夫人」の影響だったんだと改めて気づく。アメリカ人の海軍士官、ピンカートンが蝶々さんと住む家を物珍しく見て回るシーンから始まる。いわゆる「ウサギ小屋」だと言いたいわけ。なんか日本の木造家屋をバカにしている感じ、家と女性を斡旋する日本人、ゴローに札びらを切り、アメリカ人の素晴らしさを讃える歌を歌うノーテンキなアメリカ人のピンカートン。この人が夫かと思うと蝶々さんが気の毒。ピンカートン。快晴のことをピーカンというけれど、語源は彼らしい。やけに納得!当時、海軍士官は遊郭への出入りは禁止されていたので、船が港にある間だけ、女性を囲っていた。長崎式結婚と言う、その習慣をピンカートンは本で知っていた。ロチという作家が書いた「お菊さん」。ロチが日本滞在中のことを書いたこの小説。異国情緒あふれる長崎、つつましやかでお人形のような可愛らしい日本女性との契約結婚。歌舞伎でもよく出てくる遊女の身請けと一緒です。ただ、日本を去る時にはサヨナラだから、もっとドライかな。とにかく、ピンカートンはその世界に憧れていた。そして没落した士族の娘で、今は芸者に身をやつした蝶々さんが相手に選ばれ、親族を伴い現れる。彼女達は外国の人の目にどう映るんだろう。歌舞伎の白塗りはどうなのよ、と言われてしまいそうだけどイタリア人かな?ヨーロッパの女性が顔だけ真っ白けのメイク。怪しい日本髪に怪しい着付けの蝶々夫人が登場。「たとえ貧しい家の出でも、名家のフリをするものだけど私は正真正銘、名家の出です。」という名乗りでガッカリしちゃう。ミュージカルや原作の蝶々さんは決してそんなはしたないこと言わない!外国人との結婚や、夫に合わせてキリスト教に改宗したことに反対する親戚などのゴタゴタがあり、お金持ちの妻になれたことで見返すことが出来たと喜ぶシーンあり、(お蝶さんと別人だわ、別人!(T ^ T))そんなこんなはあるけれど、(とにもかくにも)二人はシアワセな結婚生活を始める。船の修理が終わり、ピンカートンは長崎を去ることに。「コマドリが巣を作る頃に必ず帰るからね」と蝶々さんに約束して。3年が経ち、ピンカートンが残していったお金も底をついてくると女中のスズキが「本当に帰ってくるんでしょうか」と不安を訴える。「ある晴れた日に、海の彼方にひとすじの煙が上がるのが見えるでしょう。やがて船が姿を見せます。その真っ白い船は港に入り、礼砲を轟かせます。」有名なアリア。(桃屋のお陰で、ある世代以上の日本人はほとんど知ってる)そう歌う蝶々さんは、きっぱり「あなたは心配してなさい、私は信じるわ」蝶々さんはピンカートンとの間に生まれた息子と共にひたすら帰りを待つけれど、彼には会えず、帰国後、ピンカートンと正式に結婚した妻ケイトが蝶々さんの息子を引き取りに現れ心乱れながらも、蝶々さんは息子の将来を考えたうえでケイトに委ね、自害するのです。ミュージカルの「ミス・サイゴン」のキムと同じ。(もとい、マダムバタフライのほうが原案でした。)その理由が、もはや芸者にもどり、親戚からも指を指されながら恥をさらし生きて行くのは耐えられないから死を選ぶと。(ちがうってば!)そして、喉に短刀を当てるも死にきれず、屏風の陰から姿を現し、子どもを抱こうとする。(そんなこと、しませんから!)蝶々夫人を呼ぶピンカートンの声が響く中、息絶える。(そんな当てつけのようなこと、しませんったら!)母親なら我が子の前でそんなショッキングなことしない!お蝶さんと違う、けれど舞台の演出はドラマティックは必須?プッチーニは数々のオペラを手掛けたけれど、中でも蝶々夫人はお気に入りだったそう。お金で買った女性なのに、心から尽くしてくれて、命がけで自分への愛を貫いてくれる従順な女性は、男性の理想なのかな。それにしても、蝶々さんに求婚するお金持ちの「ヤマドリ」さんの乗り物。四隅を男たちに担がせているけれど、これは籠や輿でなく、戸板のよう。大井川を渡る時なら、いざ知らず。しかも、ルックスは幽霊みたい。爽やかでも頼もしくもなく、恋敵にしては物足りない。召使いのスズキは、大きな簪を左右対称につけ、白い柔らかい着物を着ていて、とても女中には見えない。大奥のようにたくさん召し抱えているならまだしも、たった一人のお手伝いさんだから、短めの地味な着物を着ておさんどんをするはずなのに。オペラだから、こんなものなのかな~と思いながらも歌舞伎を見慣れていると残念なところばかり目につく。歌舞伎は鬘ひとつにしてもこだわりがあるんだぞ!と思うと泣きたくなるくらいの違和感。日本人のイメージってこんなものなの?背景として、ヨーロッパでは歴史の浅いアメリカをバカにしていた時代で日本についてはベールに包まれていた頃だから、仕方ないかもね。考証にしても、瞬時に情報を集められる現代と比べてはいけないかも。ヤナヤツ!と思いながらも人懐っこい笑顔でいい声じゃん、とピンカートン役の歌手の名前を見ればドミンゴだった。ドミンゴの名前くらいはさすがの私も知ってる。蝶々夫人はミレッラ・フレーニというイタリアの著名なオペラ歌手。きっかけとなったのがラジオ局の主催したコンクール。10歳の彼女は『ある晴れた日に』を歌い優勝していると言うから彼女にとっても思い入れのある役だろう。なので、画面を見ないで歌だけ聴くとゴキゲン。このDVDは35年も前。今ならヘアメイクもちゃんとしてるのかな。そう考えていくと、「マダムバタフライ」を演じた日本人、三浦環さん。名前しか知らないその人の「蝶々夫人」が気になる。三浦環さんの蝶々夫人が観たいな(聴きたいな)出演蝶々夫人‥‥‥ミレッラ・フレーニピンカートン(アメリカ海軍士官)‥‥‥プラシド・ドミンゴ指揮‥‥‥ヘルベルト・フォン・カラヤン演奏‥‥‥ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団1974年制作/ドイツ映画/2時間25分楽天で探したら、中古のCDがありました。相手役はドミンゴのはなくて、パヴァロッティだけどね。【中古】 プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全曲 /ヘルベルト・フォン・カラヤン(cond),ミレッラ・フレーニ(S),ルチアーノ・パヴァロッティ(T),クリスタ・ルート 【中古】afb