オウム、サブカル…時代論じた「思想の巨人」吉本隆明さん死去 産経新聞
気になりながら、私にはその著書は理解しがたいと敬遠していた吉本隆明さんが亡くなった。
彼の著書で挫折したのは、
「共同幻想論」。
まだ成人したばかりのころであり、私自身もグチャグチャだった頃。
何よりも、私自身があまりにも低レベルの知識しかなく、
彼の本で使われている言葉の意味がよくわからなかったのだろう。
だから、書いてある言葉自体はさほど難しいものではないのに、
総合的に何を言わんとしているのかがわからなかったのだろうと思う。
全然ピンと来ぬまま、途中で挫折した記憶がある。
その後、他の本を読んだのかどうかも記憶はない。
(多分、読んでないと思うが)
その後、あまり彼を意識することなく年月は流れ、
「吉本ばなな」の父親が吉本隆明と知り、「へー、そうなんだ」と再認識。
それからしばらく後に、古本屋で
「〈非知〉へ 〈信〉の構造「対話篇」」を見つけて、
定価は高いが中古なので安かったのと、多彩な人たちとの対談集だったので、
これなら気軽に読めそうだと購入した。
私自身も多少は成長したのか、あるいは対話集だからか、
スーッと納得したり、うーん、そうかなと思ったりで、これは面白かった記憶がある。
その後、時々彼へのインタビュー記事などを目にすることがあったが、
温厚でマイペースで、一つのことにとらわれない包容力を感じさせる人の印象がある。
だから、今回の死去で「知のカリスマ」とか、「鋭い批評」などと評されているのを見て、
そういう側面もあったんだと、またまた再認識。
もう一度、彼の著作など読んでみようかなとも思うが、
今だったら「共同幻想論」も理解できるかな。