旅行の間に、電車に乗りながら読んだ本。
「てらこや青義堂 師匠、走る」今村翔吾
【あらすじ】
明和七年、太平の世となって久しい江戸・日本橋で寺子屋の師匠をつとめる十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀の隠密だった。
貧しい御家人の息子・鉄之助、浪費癖があって親を困らせる呉服問屋の息子・吉太郎など、事情を抱えた筆子たちに寄りそう日々を送っていたが、藩の派閥争いに巻き込まれた加賀藩士の娘・千織を助ける際、元忍びという自身の素性を明かすことになる。
年が明け、政情不安から将軍暗殺を企てる忍びの一団「宵闇」の動きが激しくなると、筆子たちと伊勢神宮へおかげ参りに向かう十蔵に報せが入る。
危険が及ばぬようにと離縁していた妻・睦月の身を案じた十蔵は、妻の里へ向かう。
そして筆子たちは、十蔵の記した忍びの教本『隠密往来』をたよりに、師匠を救う冒険に旅立つ。
夫が買って読んでいた本。今村翔吾の『塞王の楯』を読んでから気に入ったようで、何冊か読んでいた。
夫は、「その本はイマイチだった」と言っていたが、電車で読むにはもってこいの本だった。
理由は登場人物が寺子屋の師匠と個性的な寺子たち、それに公儀隠密や忍びのあれこれは読んでいて面白かった。
「一行でわかる名著」斉藤孝
一行「でも」わかるのではない。一行「だから」わかるのだ。
『百年の孤独』『悲しき熱帯』『カラマーゾフの兄弟』『老子』
──どんな大作も、神が宿る核心的な「一行」をおさえればぐっと理解は楽になる。魂への響き方が違ってくる。究極の読書案内&知的鍛錬術。
一行でわかるわけがないけれど、古典ともいえる作品のエッセンスを取り出して興味をひく解説にまとめるのは、さすが斎藤先生。
なるほどなあ、とか、これ面白そうかもなどと、改めて読書意欲を刺激してくれる。
それにしても齋藤孝さんは、日々どれほどの読書をし、本を書き、講義・講演しまくっているのか。
そのパワーに脱帽する。