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まいかのあーだこーだ

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2023.11.27
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初冬のラグかの愛犬の尨毛あり 手入れして畳むセーター弛む歌 コロコロする寒夜ルンバ充電中 重ね着でコロコロ使う孫の顔 家族集うセーターから取る犬のぬくもり 着膨れた背中猫の毛あちこちに コロコロのミシン目ずれている四温
11月23日のプレバト俳句。

お題は、掃除具の「コロコロ」。
もともとは商品名ですが、
いまや一般名詞として使われている単語です。




竹財輝之助。
コロコロする寒夜 ルンバ充電中
コロコロする絨毯 ルンバ充電中
(添削後)

原句は9+9=18音、
添削句は10+9=19音の句またがり。

今週のお題を選んだ時点で、
もし「コロコロ」という単語を使えば、
それが《掃除具》なのか《擬態語》なのか区別がつかない、
…という問題が生じるのは容易に想像できる。

まして、
動詞で「コロコロする」と書いたら、
ほとんどの読み手は擬態語と誤解するはずです。

原句の「コロコロする寒夜」は、
《何かを撫で転がしてる》とも読めるし、
《寝転んでじゃれている》とも読めるし、
《患部が腫れて違和感がある》とも読めるし、
《何かが木枯らしに吹かれて鳴っている》とも読める。

添削句の「コロコロする絨毯」は、
《丸まって転がってしまう》とも読めるし、
《毛玉が固まって凹凸が気になる》とも読めます。

かろうじて誤読を回避するなら、
7+10 の句またがりで、
ルンバ充電 絨毯にコロコロを

とでもするしかないかと思います。



辰巳琢郎。
重ね着でコロコロ使う孫の顔
コロコロを巧みに重ね着の孫よ
(添削後)

原句も原句ですが、
やはり添削句も添削句で、

兼題を知らなければ、
字面だけで「コロコロを巧みに」は理解しがたいし、
語順的にも「巧みに重ね着する」との誤読を誘います。

かろうじて誤読を回避するなら、
重ね着の孫のお掃除コロコロと

とでもするしかないと思う。



清水アナ。
ローラーにマフラーのひだ張り付いて


擬態語の「コロコロ」に誤読されるのを避けて、
あえて「ローラー」という語にしたのでしょうが、
これはこれで意味が分かりにくいですね…。

上五から中七で、
「ローラー=重機 or 工具」
「マフラー=自動車の消音器」
と解釈したら、まったく意味不明だし、

かりに衣類のマフラーと解釈しても、
「美顔ローラー or 粘着ローラー」
などの読みの迷いが生じなくはない。

さらにいうと「マフラーのひだ」も、
《フリンジ/房飾り》なのか、
《ニット面の繊維のひだ》なのか、
《巻いたときのドレープ/たるみ》なのか、
ちょっと判断がつきません。



内容的にも、
さして詩情のある場面とは思えませんが、
接続助詞の「て」で終わらせた後は、
何の動詞が省略されてるんでしょうか?

マフラーが絡まった滑稽味を詠んだのなら、
マフラーの房コロコロに貼りつきぬ

と終止形にすればよいと思います。




アインシュタイン河井。
初冬はつふゆのラグ かの愛犬の尨毛むくげあり


7・7・5の字余りなので、
「かの」or「あり」の省略も検討できるし、
さもなくば、
ラグに亡き犬の尨毛や 冬支度

のような形に直すことも可能ではある。

ところで、
ラグは年間をとおして使う人もいるので、
その場合は「初冬のラグ」でも問題ありませんが、

この句では1年前の犬の毛を目にしたのだから、
あきらかに冬物としてのラグを扱ってるわけで、

単語の記載が歳時記にないとしても、
それは冬の季語「カーペット」と同義であり、
実質的には季重なりというべきです。

そう考えると、
たとえば6・7・5で、
去年のラグ かの愛犬の尨毛あり

のように直すことも出来ます。
※ちなみに去年を「こぞ」と読むことも出来ますが、
それだと新年の季語になってしまいます。
4音の「昨年」などを使って「あり」を省略する手もある。




YOU。
手入れして畳むセーター 弛たゆむ歌
手入れしてたたむセーター 弛む歌
(添削後)

おおむね俳句の形は出来ていて、
「te・te・ta・ta・ta・ta・ta」の韻も面白いけど、
描いてる場面は、どちらかといえば凡庸です。

さらに、
上五の「手入れ」が具体性に乏しいし、
「~して~する」というのは経緯の説明です。
手入れをしたのは、すでに過去であって現在ではない。

そこにかんしては、
手入れしたセーターたたみ弛む歌

と名詞の修飾部にすることで、おおむね解決しますが。



山之内すず。
家族集う セーターから取る犬のぬくもり
コロコロで犬の毛を取るお元日
(添削後)

6・8・7の字余りですが、

上六の動詞は連体形か終止形かを読み迷うし、
毛を意味する「ぬくもり」の直喩は誤読を招きます。
さらに、
助詞の「から」があれば動詞の「取る」は不要だし、
逆に動詞の「取る」があれば助詞の「から」は不要です。

つまり、
技術的にムダが多いための字余り。

なお、
添削では道具の情報を優先してますが、
原句に沿って、
セーターの犬の毛を取るお元日

でもいいんじゃないでしょうか。
追記:スミマセン。これだと季重なりでした…



皆藤愛子。
着膨れた背中 猫の毛あちこちに


外出時の場面らしいけど、
字面からはそのことが読み取れないし、
下五の「あちこちに」も蛇足に思えるし、

内容的には、
切れを入れず一句一章にすべきなので、
着膨れて急ぐ少女の背に猫毛

としてみました。



梅沢富美男。
コロコロのミシン目ずれている四温。


前回の句《鼈甲のフレームにある小春》を見たとき、

それが許されるなら、
「階段にある小春」でも「鉛筆にある小春」でも、
テキトーに言ったもん勝ちじゃないの?と思ったのだけど、

今回の句についても、
たとえば「埃の舞っている四温」とか、
たとえば「ラジオの鳴っている四温」とか、
テキトーに言ったもん勝ちって気がしなくはないし、

そのまま「小春」に置き換えても成立する句です。

…とはいえ、
三寒のあとの四温という弛んだ日柄と、
室内で掃除具の細部を観察してる気分は、
それなりに響き合ってるし、

季語の選択に説得力があるぶんだけ、
前回よりはマシかなと思います。

…それはそうと、

前回といい、今回といい、
半径30㎝のちまちました世界を詠んでて、
いつのまにか作風が村上みたくなってますねw





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最終更新日  2024.01.27 19:15:31
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