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まいかのあーだこーだ

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2023.12.31
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NHKプラスで「没後15年~氷室冴子をリレーする」を見ました。
今年6月に北海道ローカルで放送された番組。

萩尾望都や藤田和子が出演してました。

30分弱の番組でしたが、
北海道では《43分の拡大版》も放送されたとのこと。
特設サイトには、
出演者インタビューの全文が掲載されてます。
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n753ef2a5e0bb



もちろん、わたしとしては、

斉藤由貴がらみで、
萩尾望都と氷室冴子の関係が気になるのだけど、
両者の出会いについての話はありませんでした。



わたしが知ってる範囲でいうと、

氷室冴子は、
もともと萩尾望都のマンガを愛読してて、
高校時代には漫画家になることを夢見てて、
大学時代には「トーマの心臓」に言及した評論も書いてる。


そして、作家デビュー後には、
同じ北海道出身の藤田和子のマンガの原作を担当。
宝塚歌劇団をモデルにした「ライジング!」という作品で、
その取材のために1年ほど宝塚市に住んだのですが、

1988年に「ポーの一族」(小学館叢書)へ解説を寄せ、
1993年の「氷室冴子読本」で萩尾望都と対談したころに、
2人の共通の趣味になったのが、その宝塚だったのです。

同じ93年には、
三重県で上演された萩尾望都の舞台作「斎王夢語」を、
2人で一緒に観劇したらしい。

さらに2001年、
氷室冴子が斎宮歴史博物館の学芸員と対談したのですが、
その学芸員が氷室冴子の死後に書いた記事によると…
氷室冴子もまた、萩尾望都と同じように、
斎宮を舞台にした作品の構想をもっていたようです。

…じつはコバルトの対談の時に、斎宮を舞台にした平安時代小説の新作、という話で盛り上がったのです。
1. 主人公は斎宮に仕える筆頭女官、内侍にしよう。
2. 彼女は正義感が強く、そのために都にいられなくなって斎宮に転勤してくる。少しぶーたれながらもやる気はいっぱい。
3. 斎宮に着く直前、里の娘のようなお転婆で快活な、しかし少し不思議な少女に出会う
4. 斎宮について、斎王と対面した時、斎王の座にいたのは、その少女だった。
5. お転婆で型破りな斎王を中心に、内侍の視点から物語は進む。彼女らをとりまく貴族たちの思惑、伊勢神宮や朝廷を巻き込む陰謀などに、聡明な斎王と賢明な内侍の少女コンビが、時には弥次喜多のように、時にはホームズとワトソンばりに立ち向かっていく。
…平安時代の雰囲気や斎王の儀式など、斎宮ならではの要素を生かして、物語を進めよう。

https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/saiku/senwa/journal.asp?record=101



とはいえ、
氷室冴子と萩尾望都の出会いが1993年だとすれば、
意外に遅かった気もします。

由貴ちゃんのほうは、
映画「恋する女たち」に主演した1986年に、
雑誌「non-no」で萩尾望都と対談してるし、
翌87年には「斉藤さんちのお客さま」にも迎えてる。

ちなみに、86年の萩尾望都は、
甲斐バンドのアルバム「らいむらいと」再発版で、
ジャケットのデザインを手掛けていました。

もしかすると、
そこで長岡和弘との接点が生まれて、
由貴ちゃんとの対談に繋がったのかもしれません。

氷室冴子が「ポーの一族」の解説を書いた翌89年には、
由貴ちゃんも「トーマの心臓」に解説を寄せています。



由貴ちゃんは東宝の女優ですが、
もともとの東宝の母体は宝塚だし、
由貴ちゃんのお母さんも宝塚に憧れた人です。

また、
映画「恋する女たち」を監督したのは大森一樹ですが、
彼も芦屋市の育ちで、何かと宝塚には縁がありました。

1987年の映画「さよならの女たち」も、
大森一樹が撮ったわけですが、
もともとは氷室冴子が脚本を手掛ける予定で、
彼女の宝塚在住時の自伝的な作品になるはずだった。

そう考えると、
氷室冴子、萩尾望都、斉藤由貴、大森一樹は、
みんな宝塚という共通項でつながってた感じ。



いずれにせよ、
氷室冴子が萩尾望都に出会うのは必然だった。

長年の愛読者だったのもあり、
同じ宝塚ファンだったのもあり、
案外、斉藤由貴が両者を繋いだのかもしれない。

たとえば「クララ白書」の物語の舞台が
女子校の寄宿舎だったりするのを考えると、
たしかに氷室冴子の作品は、
萩尾望都の影響をたぶんに受けていたと思えます。



…とはいえ、
両者の作品が共通のテーマで繋がってるかというと、
それはそれで、ちょっと疑問に感じるところはある。

今回のNHKの番組も、
「氷室冴子は男性社会と戦っていた」

というスタンスで作られてましたが、

実際、氷室冴子は、
男性社会との葛藤を乗り越えることで、
女性としての自由を獲得しようとしてたのでしょう。

しかし、萩尾望都の場合は、
あまり男性社会を仮想敵にしてるようには見えない。
むしろ「母との葛藤」や「父との葛藤」という面が強く、
それゆえに彼女のテーマには現代性と普遍性を感じます。

そもそも、
「女性による少女マンガ」だけを読んで育った氷室冴子と、
「男性による少年マンガ」から影響を受けた萩尾望都では、
作家としての起点や基盤がちがってる気もする。



…余談ですが、

わたしは以前の記事に、
由貴ちゃんと富田靖子の共通点について、
両者とも「シャア推し」で「谷山浩子推し」と書いたのだけど、

考えてみたら、
由貴ちゃんが「恋する女たち」に主演した1986年に、
富田靖子も「なんて素敵にジャパネスク」に主演したのよね。
映画じゃなくテレビだけど。

たんに主演しただけなので、
べつに両者が「氷室冴子推し」とは言えませんが(笑)
(由貴ちゃんがとくに氷室冴子を愛読してたとも思えない)


なお、今回のNHKの番組では、
酒井若菜がナレーションを務めていました。
彼女はまぎれもない「氷室冴子推し」のようです。


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最終更新日  2024.01.01 09:15:52


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