一緒に歩こう

　台風上陸
でも、私が住んでる場所は大丈夫だった。
　すぐ近くに大きな一級河川がある、上流で大雨が降ると危ない地域。
ここに住むようになって5年ぐらいたつ。
その5年のうち、消防団が出るほどの大雨は2回、たしか、2005、2006年ぐらい。
そのうち、一回は「避難勧告」が出た。たぶん大丈夫と甘く考えて避難はしなかったけれど
夫は眠れないようで、夜中起きだしてネットで河川の状況、雨の状況をチェックしてた。
　ちょっとドキドキしたけれど、結局決壊はしなかった・・

　今回もあまり危機感はなく、大丈夫そうなので、暇だし、こんな日は空いているだろうと、徒歩5分ぐらいのとこにある博物館に夫と出かけた。
　ちょうど今開催されている「国宝　薬師寺展」
一応出かける前に開館してるか電話で確認した。
外に出ると雨は小降り、風も強くない。

　博物館につくと結構人が多いので驚いた。
平日、しかも台風が来てる日なのに！
　ちょうど、坊様の薬師寺に関するお話が始まるという。
夫が聞きたいというので、会場に行った。
　
　坊様の話なんて・・と思ったけれど、面白くて話に引きこまれた。
坊様の話にもユーモアがたっぷりあった、ユーモアの中に織り込まれる深い話し。

　話が終わってから、いよいよ薬師寺展を見る。
私はそれほど、芸術に関心があるわけでもないし、見る目もない。
「なんでも鑑定団」を見ても、いつも真価は見抜けない。
　
　でもそんな私でも相性があるのか、ぐいっと引き込まれてしまう作品に出会うこともある。
通り過ぎても、また戻って何度も見てしまうような作品。

　今日も、いくつかある作品の中で、そんな作品に出会った。
「国宝　吉祥天女像」
　古く、絵柄もぼんやりしているのだけど
逆にそれが歴史の重みを感じさせるのか、なんだかよく分からないけど、惹きつけられた。
　
　じっくり見た後、先に進んだけど、また戻って見てしまった。
「欲しい・・」
こういうのが家にあって、毎日眺められたらどんなにいいだろうと思う。

　外に出て、お土産コーナーを見て回り、無料のお茶休憩コーナーで、温かい緑茶を飲む。
ソファーに座って窓の外を眺めると、北の空に青空が見えていた。
　雨も止んだみたい。
　
　出る前に、名残惜しくもう一度半券を見せて再入場、
吉祥天女像の場所に行く。
　う～ん、何だろう、。
絵から何か目に見えないものがモヤモヤっと出ていて、私をからめとっているようだ。
　ひき込まれてしまう。

　出口に向かうと騒がしく、多くの人の列。
今日はこれから「国宝　聖観世音菩薩像」の御拭いがあるそう。
菩薩像に触れることが出来るらしい・・その入場整理券をもらう人の列。

　私は、吉祥天女像に出会えただけで、今日はとっても満足。

　外に出ると、北と西の空も青空が見え始めてた。
公園を通る
　と、雨上がりの公園を通っていたら、蚊に寄り付かれ5箇所も刺された。
かゆい、かゆいと逃げるように慌てて帰った。