テーマ:フィギュアスケート(3606)
カテゴリ:on ice
ピョンチャンオリンピックのフィギュアスケートについて、日本チーム中心に雑感。
団体戦。 日本はフリーに進んで5位。団体戦は個人戦の前の負荷が公平でなくもやもやするのですが、日本はリード選手木原選手以外初五輪の若い布陣だったので、ここで滑っておいてよかったかなと結果的に思います。 外国勢、特にメダルを争う国々は後の日程など考えていないかのように戦っていてたくましい。長洲選手の五輪女子3人目(みどりさん、真央さんに次ぐ)3A成功が特筆されます。 男子。 ●羽生選手はソチ五輪に続き2連覇の偉業。目標遂行能力に実に長けていたと思います。4回転や3Aの回転の速さ軸の細さは好調時と変わらず、NHK杯棄権後の調整の過程は興味深く、今後の選手のためにぜひとも教えてほしいところ。地道な陸上トレーニングをしたとの記事も見ましたが、FSに関しては持久力の弱さを差し引きにくいルールにずっと助けられているとも思います。今後、4Aは怪我が怖くないのかな?一番上手ということでありますから、珍しいジャンルのプログラムや斬新なステップシークエンスや未使用の音楽の開拓にも目を向けてほしいです。せっかくの五輪に人気と資金のある国の優勝候補が3季目・2季目のプログラムというのは、地方の学生選手であるまいしとちょっと残念でした。 ●宇野選手は初出場で2位という快挙。SPは団体・個人とも100点超、FSは最初転んでしまったものの、以降は運動量豊富で最後までスピードに乗っていて、小柄な選手のあるべき選手像でした。樋口先生による日本振付作品が優れていることを示す願いもかなえてよかったです。シニアに上がって以降毎シーズン試合数が多くて、20代に入ると心身の疲労の蓄積が気にかかります。今や男子の上位は1試合SP・FS合わせて5本以上4回転を跳び脚の消耗も甚だしいので、もしも温存の必要が生じた場合は実績など羽生選手に準じた扱いで考慮されるとよいです。 18位田中選手、団体FSが振るわず個人SPも出遅れて心配でしたが、最後のFSは気持ちがこもっていてヘタレたまま終わらなくてほっとしました。入賞する力はあっても実際入賞した選手たちはメダルを目指していたであろう面々。構成は決して上位に劣らないので、世界選手権から早速目標を高く持ち、4Sは意地でも4回回って上位に行って喜ぶ姿をぜひ見たいです。 外国勢、●フェルナンデス選手は母国を感じる好プログラムを揃えて念願のメダル獲得。4位金博洋選手もメダリストに値するような出来でした。5位チェン選手はSP17位に泣きましたがFSが歴史的難易度の1位と大巻き返し!9位チャン選手は団体からフル出場で巧者ぶりを存分に刻んで終えたかなと思います。16位ブレジナ選手がSP好発進したときはいいねと思いました。 女子。 日本は2枠で選手・コーチとも初五輪でしたが、両陣営とも自分を見失うことなく、どうしても強かった選手たちの次を確実に取り、結果大変良い選考でした。 4位宮原選手、ノーミス対決の中では確かに観客に訴える圧の強さはメダリストに及ばないし、日本人好みのビッグジャンパーでもないし、昨季世界選手権欠場も点数に影響したかと思います。跳べない間の練習でステップを見せ場にできるほど向上していて、今の技術で大好きな「惑星」もまた見たいとも思いました。まじめとまじめな人を尊びたいという思いもあって宮原選手を愛する私は、夏場は回復して五輪に出場することが待望されているのかどうかと重苦しく感じていました。しかし宮原選手自身が一つもあきらめることなく、本番は持てる力を悔いなく発揮し五輪を心から楽しむ姿ですっかり吹き飛び、今はとても清々しい気持ちです。八戸出身の田村先生もいい選手を育ててありがとうございます。 6位坂本選手、伏兵ではなく昨年も札幌アジア大会代表にも選ばれていた(インフルで欠)実力を持ち、ぱっと見から朗らかで素直に応援したくなる選手。豪快なジャンプとともに、月光とアメリの組み合わせは表現の広さを感じさせ、世界選手権も出てないのにいきなり入賞はなかなかできることではないです。やや腕の動きのもっさり感が目につくかな。五輪は年齢のめぐり合わせもあって、高校生で出場は荒川さんや安藤さんや、実は多くなく、つまり大器の感があります。高卒後の大1~2あたりの年をうまく乗り切って、続けて上位にいる選手でいてほしいです。 外国勢、露の●ザギトワ選手、●メドベデワ選手のどっちが勝つか?の争いは見ごたえがありました。癖の強くないザギトワ選手のほうが好みですが怪我明けメドベデワ選手の気力も立派でした。●オズモンド選手は怪我低迷を乗り越えてスケールの大きさを発揮し、復調への努力が実ってよかったです。5位コストナー選手はレジェンド感と温かい人柄を感じました。日本勢と入賞圏で争うと思われた米国勢9~11位と厳しい結果に。 ペア。 SP21位須崎/木原組、SPは自己ベストの成果を果たしました。3Lzを武器とするジャンプだけでなく、ツイストもトリプル挑戦だし、ステップもきれい(さすが有香先生)だし、パートナーシップもあり、今後も伸びていけそうと期待を抱かせるものでした。一方、団体で滑ったFSでは木原選手のスロージャンプの投げ方がいまひとつで、引き続きパワーアップだなと思いました。 アイスダンス。 15位村元/リード組、結成4季目で、総合15位は日本過去最高タイ、FSの13位は単独最高とすばらしい結果でした。SDのラテンは照れなく目いっぱい暑苦しくて国際標準、FSは桜で何でラストエンペラーと戦メリ?という疑問を打ち消すほど今の時期の日本の冬から春を待つ心を表現し、日本人だけでなく海外の人の胸をも打つ演技。村元選手は結成初年からクリス選手にガンガン食らいついて滑っていてガッツがあるなと思っていましたが、遅まきながらアイスダンサーとして驚異的な伸びだと思います。 今井遥選手が引退を表明、選手生活おつかれさまでした。可憐な容姿に意外なスピード感のある演技でGPシリーズなどで活躍、衣装もいつも綺麗で楽しみでした。足の調子が悪くなり国際大会を遠ざかっても新潟という新しい拠点を開拓して地元の子供たちのあこがれとなりました。 羽生選手に国民栄誉賞検討の報。授与されるかどうかはまだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年03月03日 00時38分35秒
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