カテゴリ:見たものなど
![]() 『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(高橋ユキ 晶文社) 年始の読書用に買っておいたのを最近読み終えました。 2013年(平成25年)7月21日に山口県周南市で起きた5人殺害・放火事件の現場の集落へ傍聴マニアのライターさんが足を運んで捜査や裁判とは何か別の真相はないか探ったお話です。 事件は当初「村八分が原因ではないか?」と言われていたことを記憶しています。 「皆さん東京一極集中はやめて田舎に住みましょうよ」と言うときに、首都圏に出た人から第一に返ってくるのは「田舎は人間関係が煩わしい」というお言葉です。集落の集まりが多くて出ないと何か言われるとか、住民同士「あそこの誰それは」と言い合うとか、田舎住まいの私にも確かに嫌な世界ですが、ああやっぱり田舎はこうだから嫌だ!が増幅するような本だったらちょっと困るかも?思って手に取ってみました。 緑豊かな日本の山村は、山に隠れて平地より日の出が遅く日の入りが早く、木々が陰をつくり湿っぽく、人の吐く二酸化炭素に誘われて細かい虫が顔の前にやってきて払っても払ってもまとわりつくとか、現場の集落の姿はついつい私の住む集落も併せて想起させられます。現場のほうはやたらじとーっと暗いところのように書かれているので、大変失礼ですが、うちの集落はここよりいろいろ明るくてよかったー、と読みながら何度も思いました。 津軽には藁で大きな虫人形をつくって町を練り歩き最後河川敷で派手に燃やして五穀豊穣を祈る「虫送り」がありますが、現場の集落にもかつて「虫送り」があったとのこと。平野で開けた米どころの虫送りしか知らないので、一体どんな虫送りだったのでしょう。虫送りはなくなったけれども長い歴史があって神社もあって、5代前くらいに隣の集落から5軒が移り住んで始まり歴史もなければ神社もないうちの集落なので、語れる古いものがあるのは少しうらやましくもあります。 噂話に関しては、本書にもあった「あの家は盗人(ぬすびと)だ」系の悪口というのは祖母の世代、大正生まれまでくらいの実感で、事件の集落も同じくらいの世代感と思われました。それでも、田舎の最たる東北の田舎者からしたらきっと気候も温暖で、住んで鬱々としたところでここまでの事件は起きるかな?むしろワタルさんの都会での生活が充実していなかったところに端を発したりはしないのか?例えば集落であんまり構ってほしくなさそうにしているUターンの家にはどのように接したらお互い疑心暗鬼にならずに暮らせるのか?ワタルさん本人からはもうまともな話を引き出せそうにないのでわかりません。 とか書いていたら某社さんから春まきの種が届きました。新型コロナがあろうとも、ことしは畑仕事復活年にすべく、おもしろい作物を育てて、「田舎はそんなに悪いとこじゃないよ!」に少しでも貢献したいと思います。 ![]() 戸村打撃投手が頭部に打球を受け救急搬送、命は助かりインスタにコメントhttps://www.instagram.com/p/B8yBXgflo86/ 命が脅かされる事故に遭っても自分にも至らない点があったのではないかと問う誠実さに胸が打たれます。球団や球界には投手や打撃投手の安全対策を検討していただきますとともに、一日も早いご回復をお祈りいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年02月22日 14時05分10秒
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