カテゴリ:メディア批評
NHKスペシャル「学校って何ですか」を見た。
第一部は、よく取材されたVTRを中心に、まとまっていたと思う。 問題は、討論形式の第二部である。 討論された内容云々以前にお粗末だったのが、 討論の場の“設定”だ。 スタジオに呼ばれたのは、伊吹文明文科相を始め、 経済同友会代表、大学教授、作家と、 学校現場に直接関わっていない人ばかり。 1人だけ、区立中学校長が交じっていたが、 民間企業出身者である。 では、現場でコツコツと頑張っている教師たちは何処にいたのか? 兵庫県尼崎市から、中継による参加だった。 中継参加では、スタジオでの討論に対して言いたい事があっても、 口を挟むことは難しい。 実際、1時間半の生番組中、教師には 1人につき1~2回しか、発言の機会が与えられなかった。 スタジオで、教育現場の当事者ではない人々が ああだこうだと意見を述べ合うなか、 “現場の声”は放置されていたのである。 さらに、参加者のジェンダーバランスもガタガタだった。 スタジオの出演者5人のうち、女性はたった1人。 中継参加した教師たちに至っては、全員が男性だった。 スタジオ唯一の女性というのは、 児童文学作家のあさのあつこさん。 プロフィールで、「3人の子を育てた」と紹介されていた。 だが、男性陣のプロフィールでは、 子どもがいるのかどうかすら、触れられていない。 スーツ姿の男性陣に対し、ワンピース姿のあさのさん。 NHKが彼女に“母・主婦としての視点”を期待したのが アリアリとわかる。 ならばなぜ男性には、“父としての視点”を求めないのか。 仮にも公共放送が「教育」を扱うなら、 “人選”と“ジェンダーバランス”には、配慮してもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月22日 14時26分07秒
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