カテゴリ:小説・エッセイ
「新太、おしっこをパッと出してパッと止められるか?」
布団を敷き終わった後、唐突に言い出したにいちゃん。 ぼくが「むずかしそう」と言うと、にいちゃんは 「簡単さ」と言っておしっこをチョロッと出した。 「いいか、新太、ほら止まった・・・あれ・・・・?!」 敷いたばかりの布団に、にいちゃんのおしっこが降り注がれ・・・!! 図書館で借りました。 昭和三十年代の東京下町を舞台に、 ぼくとにいちゃんと家族たちの日常を描いた短編集です。 長いものでも6ページ程度、短いとたった1ページの 短編ばかりが50本収録されています。 イタズラ好きでガキ大将なにいちゃんと、 病気がちでよく学校を休むぼく。 対照的だけどとても仲は良く、いつも色んな事件?を起こします。 たまに「なんだかなぁー(--;)」っていう話もありますが、 どれもちゃーんとオチがついてて楽しいですw 一番好きなのは、↑上で紹介したおしっこの話。 その後母さんが激怒します。 「鉄平と新太」は、父さんが息子達の名前をわざわざ逆に呼び、 子どもを困らせる話。父さん、高校の先生だそうですが、 時々子供達以上に子どもな事をします(^^; 「体育見学届」は、これまた父さんが息子達に 嫌いな体育を休んでもいいよ・・と前もって届を渡す話。 しかも束で! ・・・父さん、アナタ本当に教師ですか(--;) 「あの人は誰?」は、お正月にお客さんがいっぱい来る話。 みんな勝手に出入りしているあたり、古き良き時代だなぁ・・と。 今、こんな風に得体の知れない人がウロチョロしてたら、 即通報されますよね。 「人殺しの相談」は、夜中に家の2階で殺人方法を口論する 父さんとその仲間達の話。これもかなり好き。 オタの会話って端から聞いたらアヤシイだろーな(笑) 一応児童文学の棚に置かれていましたが、小学生には難しいかな。 子供にも楽しめるとは思いますが、この面白さを 本当に理解するという意味では、大人向けかもしれません。 にいちゃん、ぼく反省しきれません。 著者:柚木真理 ポプラ社 1998年5月発行 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[小説・エッセイ] カテゴリの最新記事
|
|