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2008.04.16
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１６日夜放送の「その時歴史が動いた」はテーマが水平社と部落問題について。
タイトルは「人間は尊敬すべきものだ～全国水平社・差別との闘い～」  ゲストは大阪人権博物館館長の秋定嘉和氏。 いつものように松平定知がキャスターを務めた。 江戸時代から、一部の人たちは人間扱いされなかった歴史がある。 「穢多」「非人」と呼ばれた人々。 明治になって開放令が出た後も彼らは苦しい生活を強いられた。 水平社設立に尽力したのは西光万吉という男。 被差別部落出身の彼は、差別撤廃に立ち上がる。 きっかけは米騒動だった。 米の値段が上がり、部落民もこの騒動に参加した。 それがために部落民へ厳しい態度で臨む警察。 「人間は互いに尊敬すべきものである」 という考えを西光は主張した。 政府は部落民の生活改善により、同情を求めるという政策を取った。 西光は考えた。問題は同情で解決しない。 部落民に責任があるわけでもない。 差別された人たちが要求しなければこの問題は解決しない。 この番組での「その時」は１９２２（大正１１）年３月３日。 京都で行われた全国水平社創立大会。 この大会で水平社宣言が読み上げられた。 宣言文には以下のように書かれていた。 「人の世に熱あれ、人間に光あれ」 ＮＨＫは、よくこの番組を放送した。 差別の世界では今でも「寝た子を起こすな論」があるからだ。 これは、差別を教えることにより差別が広がるという考え。 現実に教育界にはこの考えを持っている人がいる。 ところがこの「寝た子を起こすな論」という考えこそ誤り。 なぜなら、差別を教えることで一時的に差別が広がったとしても。 差別を教えない場合、より差別が広がってしまうからだ。 火中の栗を拾ってでも差別について啓蒙する必要がある。 傷を開くことを恐れて傷の治療はできない。 差別を教えずに差別をなくすことは不可能だ。 寝た子を正しく起こす 番組内でゲストの秋定氏は、今もある差別について語っていたのが興味深い。 それは人の能力について。 私はこの番組を見るまで能力で人を見ることを差別とは思わなかった。 区別だと考えていた。 秋山氏の言葉は深い。 今後、自分自身で考えなければならないテーマになった。 番組では「部落地名総鑑」による差別が続いていること。 （就職や結婚などにこの総鑑は用いられた） １９３３年に起きた高松差別裁判事件など、よく描かれていた。 この差別裁判がひどい。 「部落民ということを隠して結婚しようとしたのは誘拐罪」という内容。 部落民の青年は有罪となった。公平であるべき裁判でも差別は行われていた。 その後、青年は仮釈放。 担当検事は左遷された先の京都でも糾弾を受け、福島へ再転任となった。 高松差別裁判事件については、以下のページが詳しい。 兵庫県水平社ＨＰ ところで、今でもはっきりと差別は残っている。 例えばハンセン病元患者に対する差別。 黒川温泉で２００３年に起きた宿泊拒否事件は記憶に新しい。 詳しくは以下のページに出ている。 ハンセン病元患者宿泊拒否事件 誤解のないように書いておくが、この病気はすでに特効薬が見つかっている。 しかも、上記の事件で宿泊を拒否されたのは元患者。 病気はすでに完治している。入浴しても何ら問題はない。 問題となったホテルは宿泊拒否する理由がなかった。 にもかかわらず、ホテル側は方針を変えなかった。 問題のホテルは２００４年に廃業した。 さらに驚くべきは、ホテル経営者と同じ考えの人がいたこと。 これでは差別がなくなるわけがない。 差別は遠い国のことじゃない。 過去に起きたことでもない。 現実に今起きている人権侵害だ。 *********************** 関連記事 ＮＨＫその時歴史が動いた「全国水平社・差別との闘い」４月１６日放映 ↑この件について詳しく書かれている記事。 ただ共産党が「すでに差別はなくなった」と解放同盟バッシングしているのは知らなかった。 本当のことだとしたら理解できないことだ。 真摯に受け止めなければならない 水平社闘争の分水嶺・・・ 人間は尊敬すべきものだ ～全国水平社・差別との闘い～
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最終更新日
2008.04.17 18:14:14
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