気がついたら広島原爆投下の日だった。
今日のニュースで報道されるかしらと思ってちょっと気にかけていたら、
やっぱり報道されていた。
日本は暑そうで、日本にいたとき、原爆投下の黙祷を捧げた日を思い出した。
ドイツはこのところ涼しく、この日は土砂降りになったりして、夏らしくない。
夜、遅くなってから、公営第一放送(ARD)で、
原爆用の防空壕を買い取って芸術展を開く人たち、ところについて流れていた。
ドイツは冷戦時代、最前線にあったため、
軍関係者の間では、
原爆が投下されたら何も残らない地域という認識が当然だったという。
防空壕は、軍関係者のみ、それも、男性のみが28日間だけ、暮らせるように作られていた。
被爆した人が入ってきた場合、放射能を抱えるチリを全身に浴びているため
幾重にもわたる部屋、また部屋で放射能汚染ブツを洗浄して
ようやく入居(?)のはずだったが、
実際は被爆者は絶対受け入れなかっただろうと、専門家は語っていた。
放射能洗浄がどこまで絶対か分からないため、
入れたら最後、中にいる人たちも被爆すると判断されたかららしい。
軍関係者であっても、女性はその場で解雇され、
防空壕には入れられなかったという。
というのも、28日間しか保たない防空壕は、
生き延びるための防空壕ではなく、
死を待つための防空壕であったからだと、説明を求められた人は語っていた。
その防空壕に入った人たちは、軍関係をはじめとする諸連絡の責務を果たし、
ただそれだけを行うために生きながらえさせられて、
後は死ぬだけだったという。
「考えてもみてください、28日分だけの水と食料で、その後はどうしようもない。」
28日経ったって上にでても、重度汚染された死の地が待っているのみ、
生き延びられるはずがなかった。任務をぎりぎりまで果たして、後は死ぬだけです。
尋ねられた専門家は、そう語っていた。
兵士たちが生き延びる希望を持ってしまっては困るのだ。
言外に、その人はそう語っているようだった。
ドイツが死の地と化しても、隣のフランス、海の向こうのイギリス、アメリカは
もしかしたら、まだ戦争中。
世界戦争になったとしたら、ドイツはただの捨て石だったらしい。
捨て石でも、使える間は使う。そのための防空壕だったらしい。
考えてみれば、助けに来ようとか、そういう動きも有りようもなかったのだな。
だから、余計手間のかかる女性はいない方がいいのだな・・・
男女いれば、生きる希望も出てきてしまうだろうし・・・
死にゆく日を待つためだけの防空壕。
使われなくて、よかった。
当初は取り壊される予定だったそうだが、
これを買い取って、原爆と死の影をテーマにして展覧会を開く人たちがいる。
場所は残念ながら控えそびれてしまった。
見つけたら、記載します。
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