陸奥男山の駒井さん来店。そして普通酒の存在意義
青森県八戸市にある「陸奥男山」醸造元、八戸酒造(株)の駒井秀介さんが依田酒店にご来店。そこへたまたま納品に来てくれていた青煌の杜氏・清水紘一郎君と一緒に十四番目の月へ。新酒を持ってきてくださったので一緒に味見。純米の活性にごり酒と、普通酒の生酒だ。本当に久しぶりに普通酒の香りと味をみた。普通酒を送ってくれる蔵元はまずいないのでこれはこれで良い機会だった。麹米は青森県産の米で55%の精米歩合だそう。「本醸造に近いアル添量です」ということだったが値段も1.8L瓶で2,000円ということで価格も本醸造並みの普通酒。遠い記憶にある普通酒と比べるときれいな味わい。普通酒も品質・価格ともに上がっているようだが、そこまで価格や品質をあげる必要が普通酒にあるのかどうかはわからない。話は変わるが清酒の課税移出数量(つまり売れている量)だが、昭和45年を100とすると平成25年は33。なんと67%も減ってしまっている。酒の消費全体のわずか6.7%ほどになってしまうもまだ下げ止まらない。減っているそのほとんどが普通酒だ。消費者が選んでいない酒が清酒の普通酒ということになる。経済的な面や食の環境の変化が大きいと思うが、美味しくないものには安くともお金を出さない、ということのように思える。普通酒の存在意義が問われている。