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ロシア・ショック 大前研一「ロシア・ショック」 日本人のロシア像は、古すぎる! プーチンが立て直したロシアを正しく理解すること、 その上で、北方領土問題で思考停止にならず、 新しい日ロ関係を結ぶ必要がある、と。 冒頭、 いま、日本が最も注目すべき国はどこか? と問います。 その答えは、 ロシア プーチンが行ったこと・・ フラットタックスを導入し、マフィアを退治し、地下経済を表に浮上させた。 13%の低い税率の一方、この課税を隠匿するマフィアに対しては徹底して弾圧する アメとムチで臨んだ。 ロシア経済を浮上させ、それにより対外債務を返済し、ロシアを債務国家から債権国家へ 転換させ、「強いロシア」を復活させた。 また、この間、原油価格の急騰も味方した。 原油の原価は、1バレル=3~8ドル程度であり、昨年のピーク時140ドルはもとより、 現在の40ドル程度でも莫大な利益を生んでいる。 ロシアの最大の資産は、・・石油・ガス等の天然自然とともに、 アメリカと覇を争ったほどのソ連が残した豊富な「人材」 大学や専門学校含む第三次教育への進学率は、約72% これは他のBRICs諸国、 ブラジル 25%、 中国 22%、 インド 11% と比べると圧倒的。 「根が優秀な国民は、落ちるところまで落ちても、世界経済の中で生き残っていけるものだ。 かつての日本もそうだったし、ロシアもそうだろう。」 また、そのため、BRICsの中で、唯一、中間所得層を形成し得る。 知的レベルが高いことが、ミドルクラスへのチケットだから、と。 ロシアの個人の購買力は、日本に比べて圧倒的に高い。 家計支出に占める消費の割合が、 日本は、39.1%に対して、 ロシアが69.6%。 理由は、今日よりも明日のほうが収入があがること・・そのため貯蓄はしない。 男性の平均寿命が59歳であり、定年が62歳なので、老後の蓄えがいらないため。 ところで、意識調査によると、 ロシア人の74%が、「日本が好き」と答えている。 柔道家のプーチン大統領自身が、日本好き・・ 一方、日本人の「ロシアが好きは、わずか15%。 中国人の「日本が好き」は、わずか21%。 だから、自動車や家電製品等、少し割高であっても、日本の商品を選んで買ってくれる。 にもかかわらず、ロシア市場に、日本製品はほとんどない。 唯一健闘しているのが、JT・・ 全ロシアのタバコ市場の34%のシェアをもっている。 日本人のとって、「坂の上の雲」や北方領土、ソ連時代の印象がトラウマになっていますが、 ロシアに対するアプローチを変える必要がある、と思うのでした。 また、今後、IT分野は、インドや中国を凌駕するポテンシャルがある。 東欧諸国へのオフショアは数年前より認識していましたが、 本丸のロシアは認識外だったので、 元・軍事都市が、有意な人材の宝庫との指摘は、眼からウロコでした。 プーチンのロシアは、メドヴェージェフ後の8年の2020年まで続く。 あまりナイーブでもいけませんが、日本へシンパシティのあるプーチンのいる間に 日ロ平和条約締結、領土問題解決、シベリア共同開発への先鞭をつけてほしい、 と思います。 <目次> 激変する世界の潮流 第1部 変貌するロシア (プーチンの奇跡 拡大する市場) 第2部 ロシアン・ビジネス・チャンス (愛される日本、出遅れる日本 二一世紀のIT大国・ロシア) 第3部 世界の潮流とロシア (内政・外交の光と影 ロシアとEU) 日ロ関係の未来図 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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