カテゴリ:哲学・思想
西研・佐藤幹夫「哲学は何の役に立つのか」(新書y) 洋泉社 2004年刊 ≪哲学とは、「原理 principle」の思考である。≫ 「何を根本に置けばよいか?」を常に問題にしようとする思考が哲学である。 ≪ぼくが近代哲学にこだわるのは、現代社会の諸問題を捉え新たな方向を 探るさいに、「どこに足場(原理)を置くか」ということがきわめて重要だからだ。≫ ≪哲学書の難しさは「なぜそもそもこんなことが問題になるのか」 がよくわからない、という点にある≫ 哲学はなぜ始まったか? ≪「安定した世界像が揺らぐこと」が一番の条件です。≫ たとえば、アレキサンダー大王によって小さな国々や様々な民族が一つになったことで 古代世界が大混乱したことを契機としたり・・ ≪「いろいろな価値観をつくり出して生きている人間というものはどういうものか」 を考える≫ ≪哲学は一度相対化を経た後の思考法≫である。 ≪近代哲学はほんとうに多くのことを成し遂げてきました。 ひとつには、「共通理解をつくりあげるための方法」≫です。 フッサールの現象学の「意識体験の本質観取」にいきついている。 第二は、人間的な欲望の理論である。 人間的な自我は他者からの承認によって初めて支えられる、とヘーゲルはいう。 人間の欲望は変化するが、「承認」を求めるという契機は貫かれている。 第三は、近代の核心は、自由であるということ。 <目次> 序章 哲学の難しさに負けないために 第1章 ニーチェ 「自分」をどこから考え始めるか 第2章 ソクラテス‐プラトン 「考える」ことについて考えてみる 第3章 カント 「人間」とは何だろうか―近代という枠組みを考えてみる 第4章 ヘーゲル 教育と働くことをめぐって 第5章 フッサール・橋爪大三郎 「私」から社会へどうつなげるか―「われわれ」の語り方 第6章 カント・ヘーゲル 9・11以降、「正義」についてどう考えるか 終章 東浩紀・フーコー 哲学はなぜ必要か―再び「考える」ことの足元を見つめて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.25 23:53:13
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