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【送料無料】構造デザインとは何か 構造デザインとは何か―構造を理解しないアーキテクトとアートを理解しないエンジニア アラン・ホルゲイト 訳 播繁 鹿島出版会 2001年刊 ≪この本の大部分は、アーキテクトの「仕事のやり方や思想」を研究することに 当てられている≫ しかしながら、 のっけから、印象的な文章があります。 ≪ある人はまた、技術者同士であれば意見の相違が生じても、 純粋に冷静で論理的な議論によって、通常、人間関係につきまとう問題から 離れて解決できると思っている。 このような考えをもつ人たちはいずれ突然目を覚まされる運命であり、 そしてこのような思い違いをさせておくのはひどい仕打ちというものであろう。≫ ≪構造エンジニアリングのアート(術)には、 設計チームのの他のメンバーとよい関係を保つためのコミュニケーションのアート が含まれて≫いる。 ≪・・仕事は人間によってなされるもので、どのような形で雇われようとも、 同意することもできるし、あるいは反対することもできるからである。(アクロイド)≫ もう一つ、ホルゲイトさんのぼやきを紹介(>_<) ≪エンジニアと同様、アーキテクトも自分たちが総じて不当に安い給料で過度に 働かされる職能だと見ている。 そして、当然あるべき社会的な評価を受けていないと思っている。≫ ≪構造デザインとは、可能な限り最も効率的な手段で三次元の空間に部材を配置し、 設定された目的をなしとげるためのプロセスだといえよう。 このプロセスを実行するには、「目的」と「効率」に対しての思想を持つ 必要がある。≫ ≪エンジニアリングは、プロジェクトの経済性を決定するために用いられる技術的な 道具の一つであって、それ自体が独立した自己完結的な技術ではない。(アトキンス)≫ 構造形態を議論する際、荷重対耐力の機能だけに焦点をあてるのではなく、 ≪建築本来の機能、経済性、美観、そして政治性でさえ考慮に入れるべきである。≫ <目次> 構造デザインのアート 設計事例の研究―シドニー・オペラハウス 計画と設計の組織 資金計画と分析 機能計画と構造 建築家、建築そして美学 アーキテクトとその仕事 エンジニアとアーキテクトの関係 建築評論とその歴史 建築史の年代順スケッチ〔ほか〕 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.25 23:57:37
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