カテゴリ:哲学・思想
【送料無料】実存からの冒険 西研「実存からの冒険」(知における冒険シリーズ) 毎日新聞社 1989年刊 ポスト・モダンは、真理・道徳・理想にバッテンをつけた。 しかし、 ≪ニーチェは真理という言葉にバッテンをつけるのではなくて、 真理の意味を新しく捉え返したのだ。≫ 「真理があるから、人には生きる価値がある」のではなく、 「生きる意味が必要だから、真理が捏造される」 「人間はほんらい、もっと高揚しもっと力強く生きようとする存在だ」 ≪真理があるのではなく、「真だという確信」があるだけだ≫ 「各々の意識の底にあってそう信じさせているもの」があるはずだ。 ≪<ルサンチマンにかまけてないで、いま自分としてどうできるかを考えること>。 そのために必要なのは、自分の心を確かめる作業だ。・・ 自分の心に対して正直で、敏感であること。・・≫ ≪ニーチェの全体から伝わってくるのは、 <人生には達成すべき目的もなければ義務もない。 深い喜びを味わって生きようとするだけだ>という声である。≫ カント的図式・・ 主観-客観(主観によって秩序づけられた世界) - 真実の客観(物自体、混沌) ヘーゲルの図式、ハイデガーの開示性・・ 意識(主観-客観) - 物自体は存在しない ≪私たちが「すでに在ること」、このことは「私たちはいつも、特定の世界了解(=存在可能了解) のもとにあること」と言い換えてみてもいい。 この特定の了解は、そのつどの私にとって先行して与えられているのであって、 私はまったく自由な状況から出発することはできないのだ。≫ 「被投企性」=「特定の在り方=特定の了解のなかに投げ込まれている」 ≪人間はそのつど特定の存在可能性とそれに相関した道具連関、 つまり特定の世界のなかを生きている。 それはいわば所与性なのであって、自在に交換することのできないものなのだ。≫ ≪元気に生きるためには「自己決定としての自己了解」は大事なのだ。≫ ≪自己了解とは、欲望の声を聴き取ること≫ 自己了解の作業としたは、なにかのテ―マ、問題を立て、考えてみること。 問題が提出することで、他の人もその問題に対して、考え方を巡る討論が可能になり、 共感したり、触発されたりという関係がとれる。 <目次> 第1章 真理批判と〈生の肯定〉―ニーチェ (キリスト教的道徳はなぜよくないのか―僧侶と善人の批判 〈力への意志〉という見方 〈ルサンチマン〉と〈畜群本能〉 ニヒリズムと価値転換 超人と永遠回帰 ニーチェの思想のまとめ) 第2章 可能性の了解―ハイデガー (現象学から存在論へ 実存の基本構造 本来性と非本来性) 第3章 現象学=実存論とは何か (〈ポスト・モダン〉・ヘーゲル・実存論 実存からの冒険) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.05.01 11:12:33
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