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間違いだらけの大学選び〈疾風編〉
栗本慎一郎「間違いだらけの大学選び〈疾風編〉」 朝日新聞 1994年刊 20年前の『週刊朝日』の連載記事・・ 各大学の偏差値がどうのこうのには興味はありませんが、 栗本さんの慧眼・・いま読んでも素晴らしい、と思います。 ○國學院大學 「文学部は落合直文、折口信夫、金田一京助らの学者を生み、 また彼らに指導された伝統を持っています。」 「神道学は、伊勢にある元は国立の皇学館大学と双璧といわれますが、 國學院のほうが規模も大きく、戦後の休学期間もなく、全国的に優勢です。」 「國學院大學の実力はあくまでも文学部の実力でしょう。」 ○国際基督教大学(ICU) いまは知りませんが、この本の出版当時までは、教授陣はクリスチャンであることが必須でした。 そのため、 「語学教育はよいとしても、実質、クリスチャンのみに限るという教授の資格は、 自由な学問という視点から見て反動的でさえあります。 国際関係論など、そういうことでまともに研究できるのでしょうか。 文化人類学も同様です。 ここを若くして去った俊才は多数でも、ここから育って学界をリードする人は皆無に近いでしょう。」 ○文化学院 「西村伊作と作家の中上健次の二人が新宮から生まれたことは不思議です。 熊野が生んだ旧制度における社会最上層と下層からの二人です。 あまりに対照的ですが、私はいま、伊作の抱えたものの展開のほうがより難しく、 かつより重要かなと思いつつあります。」 「日本は、これ以上大学を増やすのではなく、こうした学園をこそ、 必要なら大学にしたほうがいいし、あるいはこのまま大学の認可などない小妖精のような学園 にしておいたほうがいいのかもしれません。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.07.28 20:52:36
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