Shionの部屋

劫尽童女

遥は１０歳。科学者である父親の手によって、人間のチカラを超えた能力を与えられている。
その嗅覚、聴覚、運動能力は、動物の能力から「フィードバック」されたものだ。
彼らは属していた秘密組織「ＺＯＯ」を逃げ出し、逃亡生活の果てに父親の故郷である日本に戻ってきたが、追っ手はすごそこまで迫っていた。

遥の特殊能力は敵を察知し、逃げ切ることができるのか。
遥は自分と同じように特殊能力を与えられた唯一の仲間、「アレキサンダー」とともに、逃避行と死闘を繰り返すが・・。


ＮＨＫ「少年ドラマシリーズ」を子供の頃ワクワクしながら見て育った大人の方には、課題図書と言える一冊です。

とはいえ、この物語は２０００年秋から２００１年秋にかけて連載されたものを、２００２年４月にまずハードカバー版として出版・・（↓）



・・その後２００５年４月に文庫化されたものですので、「もうとっくに読んじゃったよ」という読書家の方も多いかと思います。
課題図書は、私のように、こんなに良い本の前をこれまで知らずにスルーしていた方限定ってことで。

この本、ぶらりと出かけた書店で、目が合ってしまい・・裏表紙のストーリーをサラっと読んだところ、大変ツボだったので、衝動買いしてしまったものです

（ところで、この本の内容からそれるのですが、本屋さんで気になる本を見つけて裏表紙のストーリーをチェックするときって、緊張しませんか？
私は内容を理解し過ぎない様に用心深く活字を拾うこの瞬間、ちょっとしたサスペンスドラマ並みに緊張しますー）


読んでみての感想ですが・・
さすが恩田陸さん、期待を裏切らないドキドキの展開で、一気読みさせていただきました♪
私としては５つ星★★★★★かなーと思うのです、が・・。

ただ、物語というもののラストに、パズルのピースがピタッとはまるような快感を求めている我が家のリョウ（１６歳・高１）には、５つ星のお勧めはできかねる・・と思いました。
彼の目にかなったのは、福井晴敏の作品全般、乙一、上橋菜穂子、森絵都の「ＤＩＶＥ！」や「カラフル」くらいで、ほんの少しでも「モヤっと感」が残る作品には非常に手厳しいのです。
そういう、リョウのようなストーリーの起承転結に厳しい方には、３つ星★★★のお勧めってことで・・

ご興味が沸きました方は、ぜひ図書館でお手にとってご覧下さいませ
（※「買え！」と言わないあたり、私のお勧め度の微妙さを表わしています）