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話飲徒然草(S's Wine)

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2013年11月03日
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カテゴリ:ワインコラム


さて、前のエントリーで「わずかな通気性が確保される」と書きました。ここで「おや?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ワインのコルクが呼吸するというのは俗説で、コルクは空気を通さないのでは?」

よく愛好家の間で交わされる議論ですね。当ブログでも以前議論になって、堀賢一さんにまでお出ましいただいたことがあります。

最近はスクリューキャップや合成コルクの登場などもあって関連した研究データも増え、ネット上でもいろいろなデータが入手できるようになりました。
下記の記事などは必読です。大変参考になります。

「ワイン醸造家のみなさんへ
ワインの選択肢、スクリューキャプ?合成コルク?天然コルク系?(PDF)」
http://www.kitasangyo.com/e-Academy/wine/wine_closure_column.pdf

とくにこの中の3/4(8ページあたり)のデータは実に面白いです。

少し紹介すると…


・一般的な天然コルクでは0.2~0.5ミリグラム/月 程度の酸素の流入があり、これは0.8~2ミリグラム/月 のSO2のロスに相当する。スクリューキャップではこれが0.01~0.03ミリグラム/月ぐらいになる(0.04~0.12ミリグラム/月のSO2のロス)。
・一般論として、酸素1ミリグラム/月の透過は、4ミリグラム/月のSO2のロスに相当。
・コルクは品質によって酸素の流入量にかなりの幅があり、1級天然コルク(良質なもの)でボトルを横にしていればスクリューキャップ並みに低いこともある。一方で縦置きにしている場合は1ミリグラム/月になる場合もある。
・ワイン液面がコルク下20mmの場合、ボトルのヘッドスペース内の酸素の量は約1.2ccになる。

ボトルのヘッドスペース部分の酸素は、ワインの熟成や劣化に関係のあるファクターとしてよく引き合いに出されますね。生産者の中にはそれを嫌って、ヘッドスペース部分に不活性ガスを注入したり、あるいは極力ヘッドスペースギリギリまで充填する生産者もいます。

ところで上記の酸素の単位がまちまちですね。ヘッドスペース内酸素だけがccであらわされています。
これを重さに換算するとどれぐらいになるのでしょうか。
ネットで調べてみると22.4リットルが32グラムに相当するそうなので、単純に計算すると1.2ccの酸素は1.714ミリグラムということになりました。

ヘッドスペースの酸素量とを比べてみると、ヘッドスペースのインパクトよりもむしろコルクの通気性って意外に大きいんだなぁと思いませんか?私はそう思いました。(※といってもあくまで標準コルクで月に0.14cc~0.35ccというミクロの世界の話です、念のため。)

並級コルク(おそらく千円前後あるいはそれ以下のレンジに使われる短くて粗いもののことだと思います)を立てておけば1ミリグラム/月とのことですから、最悪2ヶ月程度でヘッドスペースにあるのと同等かそれ以上の酸素が流入することになります。

安価なレンジのワインはもともと構成要素の少ないことが多い(酸化に弱い)上に、これだけの酸素の流入があれば、たしかに長く置いておくのはリスキーでしょう。というか逆に早めに飲まれるものだから、このようなコルクでもOKという判断なのでしょうね。
(ここまでで、なにか計算間違ってませんかね?正直あまり自信はありません。)

一方で、愛好家の方々がセラーに長期にわたって保存しておくようなレンジのワインはコルクも当然それなりのものを使っていますから、セラー内でボトルを横にして湿らせておけば、スクリューキャップに迫るレベルの密閉性能を発揮する、すなわちほとんど酸素の流入を考慮に入れなくてよいということになります。

あれ?
ということはですよ。
ボトルを寝かせて置いた時(コルクが湿った状態)とずっと立てておいた時(コルクが乾いている状態)とでは、長期熟成においてはボトル内に進入してくる酸素の量はかなり違ってくるということになりますよねぇ。大丈夫なんでしょうか?
この辺の試算を次回のエントリーでしてみようと思います。





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Last updated  2013年11月20日 23時05分54秒
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