テーマ:ワイン大好き!(30304)
カテゴリ:ワインコラム
SO2については、おそらくビオワインなどに関心をお持ちの方のほうがよほど詳しいと思うので、あまり私が付け焼刃的な知識で書くのもおこがましいのですが、とりあえず話を進めますので、間違いに気づいたらやさしく指摘してやってください。 まず、「きた産業」さんの下記の記事から見ていきたいと思います。。 ワイン醸造の基礎 -亜硫酸の話ー http://www.kitasangyo.com/e-Academy/b_tips/back_number/BFD_19.pdf ~ワインに添加された亜硫酸はその一部が当夜アルデヒド、アントシアニンなどと結合して、亜硫酸としてはほとんど効果の無い統合型になる。 ~残りの遊離型亜硫酸は、そのほとんどが一価のマイナスイオンHSO3-(重亜硫酸イオン)に、一部が乖離しない分子状のSO2になる。 ~これらの比率はワインのPHによって異なり、PHが高いほど抗菌活性は弱くなる。 ~遊離型亜硫酸を含む貯蔵中のワインに亜硫酸を追加する場合は、ほとんどが残るという意見と、30% ぐらいは結合型になると言う意見がある。 ~亜硫酸を添加していてもフェノール化合物の酸化的熟成を完全には防げない。(フェノール化合物も同様に酸化されやすい物質なので) ~熟成中の赤ワインに亜硫酸を添加する意義は、亜硫酸で香りを酸化から守ってやりながら、フェノール化合物の酸化的熟成を進めることにある。 亜硫酸の規制量は、たとえばEUの場合、1リットル当たり、辛口赤ワインなら160mg、甘口白ワインは300mg、貴腐ワインは400mgとのこと。SO2の添加タイミングはプレス時や瓶詰め時など何度かあるようですが、瓶詰め時には一般的に30~60mgぐらい添加されるケースが多いと聞いています。(間違ってたらご指摘ください。) ここから先はまったく机上の計算になりますが、仮に40mg添加したとして、その半分が遊離亜硫酸として残り、流入してきた酸素と結びつく(酸化の抑制に使われる)とします。実際にはもっと多くのパラメーターがあるでしょうし、こんなにシンプルな話ではないと思いますが、ここでは単純化して計算してみます。 前々項のエントリーで引用したとおり、酸化抑制のために消費されるSO2は酸素流入量の4倍程度になるとのことです。したがってヘッドスペースの酸素と合わせたとしても、 寝かせた場合 0.36(3年間の流入量)+1.7(ヘッドスペース)×4=8.28(酸化抑制に必要なSO2の量) <20(遊離亜硫酸量) 立てた場合 3.6(3年間の流入量)+1.7(ヘッドスペース)×4=×21.2(酸化抑制に必要なSO2の量) ほぼ=20(遊離亜硫酸量) コルクに空気が流入する際、逆に気体となったSO2が外に排出されることもあるでしょうから、実際には20ミリグラムがフルに酸化抑制に使えるということはないとは思います。また、きた産業さんのサイトにあるように、SO2があっても完全にフェノール化合物の酸化は防げないとのことなので、流入した酸素による酸化の影響をゼロにはできないと考えられます。 それでも3年ぐらいまでの期間であれば、新たに入ってきた酸素の多くはSO2にブロックされることになり、中のワインに大きな違いをもたらさないのではないかという仮定は成り立つのかもしれません。 どうでしょうか? 自分で自分に突っ込むみたいですが、そうなると、SO2無添加の自然派ワイン(特に白)などは、立てておいた場合と寝かせておいた場合で3年後の香味がかなり違ってくることになるんでしょうか?どなたか検証してみてください。(笑) まだまだ続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年11月20日 23時11分47秒
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