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テーマ:恋愛について(2578)
カテゴリ:タコ生徒・学生期
「タコ君、3年生の木内さんって知ってる?」
中学2年の3学期、コークスを用務員室に取りに行っていたら同級生の荻原が聞いてきた。何だか、浮き浮きした顔をやや紅潮させている。東京の練馬区にあった練馬中学に通っていた頃の話だ。 何でも、上級生の木内さんという女性から声をかけられたという。大杉さんというもう1人の女学生と一緒に私も交えて4人で映画に行かないかと誘われたらしい。こんなことは、後にも先にもなかったことで、私も石炭ストーブの前で急に顔が火照ってしまって言葉も出なかった。 4人で観に行った映画は、エリアカザンの「エデンの東」だった。ねちねちした感じのジェームス・ディーンがすごく印象的だったが、14歳の私にはやや難しい映画だった。中学生のグループ交際で観に行く映画ではなかったような気がしてしまった。 その頃の一つ年上の女生徒は、大人に見えてしまうほど年の差感じた。全身真面目が学生服を着ているような頃の私で、自分の芸のなさに呆れるほどだった。会話もぎこちない。今だったら、守備範囲は前後20歳くらいまで拡大しているような気もする。唯、こんなことは言わせてもらっているだけで、まったく他意はないのだが。 ちょっとコケティッシュで悪女的な感じのする木内さんに心が動かされ、いろいろ先の先まで考えてしまったりもした。ういう時が一番楽しいとも思えた。 「タコ君さ、俺木内さんがいいんだけど。」 荻原も木内さんが好きになったようだった。それはないだろう、と思わなかったと言えば嘘になるが急に全てが面倒くさくなったしまった。というより、自分は荻原には勝てないと思った、というのが正直なところだったような気がする。 そんな訳で、始まりも終わりも、ものすごく早い最後のグループ交際となった。 4月に日本に一時帰国する。中学時代の学友との還暦同期会がある。渋みを増しているであろう荻原に会えるのが楽しみだ。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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