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2009.10.19
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17日(土) 日生劇場にてミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」を観てきました。

ユダヤ教徒の信仰と愛が息づくロシアの片田舎アナテフカという小さな村に住むミルク屋テヴィエとその家族の心温まる物語です。

ユダヤ教徒の苦難という重い歴史がテーマなのですが、そこに描かれるのは娘を思う親心、両親を思う娘たちの愛、そして質素ながらも楽しい生活の営み。

バイオリンの透き通った切ない調べとともに進行していくのです。

この時代は日本で言えば幕末の終わりから明治のはじめのころでしょうか。

若者たちがどの様に生きていくことがこれから幸せに暮らせるのかという事を真剣に考え始めたころのお話です。

ユダヤ教徒には神と個人との関係を大切にする特有の文化と伝統があり、父テヴィエ(市村正親)はそれらを大切に守ろうと勤めていました。

しかし長女のツァイテル(貴城けい)は父の約束した婚約者とではなく幼なじみである貧乏な仕立て屋のモーテルと結婚したいと言ってくるのです。

次女のホーデル(笹本玲奈)は革命に情熱をかける貧乏な学生と恋に落ちシベリアまで追いかけていくのです。

三女のチャヴァ(平田愛咲)はあろうことかユダヤ人と対立するロシア人の若者と恋に落ちてしまうのです。

父テヴィエは、その度に、ユダヤ教徒としての伝統やしきたりを守ろうとし、とまどい、怒り、悲しみ、そして結局は娘への愛情を最優先させてしまうのです。

長女ツァイテルの結婚式に流れる「サンライズ・サンセット」http://www.youtube.com/watch?v=nLLEBAQLZ3Q&feature=related

♪SUNRISE SUNSET
♪♪♪SUNRISE SUNSET・・♪♪♪
♪いつもおんぶしてた 小さな女の子
 いつか大きくなる二人
 こんなに綺麗になって りっぱになったのか
 昨日までは小さな子が・・・・・・☆
 日は昇り また沈み 
 時・・移る・・・・・・・☆☆☆☆ 
 歓び哀しみをのせて流れゆく~~~~~♪♪♪♪♪

(訳詞・滝弘太郎、若谷和子」

列席者全員がロウソクを手に持ち、この歌を歌うシーンは涙を誘います。

次女ホーデルが学生の流刑されたシベリアに向かう駅での父との別れの場面では「愛する我が家をはなれて」を歌う笹本玲奈さんの歌声は涙無くしては観られません。 

そして三女チャヴァはロシア人の若者のもとへと家を出ていくのです。

この時の妻ゴールデ(鳳蘭)は「チャヴァは死んだ」と泣き叫ぶのです。

ユダヤ人には異教徒との結婚は死を意味しているのでしょう。

物語の中ではユダヤのしきたりが度々歌われます。

ユダヤのひとたちは旧約聖書をもとに人間が生活するための規則を織り込んだタルムードと呼ぶテキストを作り社会秩序や結婚や全て行為はタルムードによって規定されていたそうです。

流浪の民 ユダヤ人。

このアナテフカの村も安住の地ではなくなりました。

♪♪ 陽は昇り、陽は沈む・・・・・♪♪♪♪♪

嬉しいことも、悲しいことも、いろいろあって、人それぞれ、生きてゆくのですね。


安西節雄





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Last updated  2009.10.19 18:10:52
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