|
カテゴリ:税金の話
「寡婦(寡夫)控除」は、私達税理士にとって、とても馴染み深い言葉の一つです。
角田が税金の話を書くのは、ひょっとして初めて…かも… 「寡婦」とは、夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻していない女性又は夫の生死の明らかでない女性であり、「寡夫」とは、その逆の人を言います。 って、ここまで書いて、私は税金の事を書きたいのではないことに気がつきました。 でも、書き続けます。 ここ何年か、胸に燻っていた事に、先日の新聞記事が問題提起してくれていたのでここに紹介がてら、私の意見を織り込んでみたいと思います。 よって、細かい数字は記事から拝借しました。 厚生労働省の統計によると、母子世帯数約122万5400(2003年)のうち、結婚せずに子供を育てている非婚母子世帯数は約7万もあるそうです。 税法が民法の規定をふまえているので、寡婦控除について言えば、上記のように「死別」 「離婚」 の母親にしか適用されません。 結婚せずに子供を育てている人には、寡婦控除の適用はありません。 一般世帯を100とした場合の母子世帯の平均収入は37.8(2008年)しかないそうです。 新聞記事には、非婚シングルマザー世帯の数値が書いていないので、ハッキリしませんが、37.8と大差はないのではないかと思います。 子供を育てあげるのに、数千万円かかるご時世です。 男性サラリーマンの平均所得金額は約500万円、単純計算で、その37.8は、200万円に届きません。 この層の人達にとっての寡婦控除は、重みがあると思います。 寡婦控除が受けられないとその分所得金額が増えてしまい保育料が高くなったり、公営住宅に入居できなくなったりするのでは、気の毒としか言えません。 始めから、覚悟を決めて産んだんだろう…という人もいらっしゃるとは思いますが、子供を育てる立場としては、同じではないかと思えてなりません。 私は、角田とは、俗に言う 「できっちゃった結婚」 でした。 私達は 「結婚」 を選択しましたが、私はそう選択しなかったとしても、絶対子供は産むつもりでした。 子供を諦める…という選択肢は全くありませんでした。 そして今、寡婦控除を受けている身として言いたいのは、あの時と今と、どう違うのだろう…という事です。 昨年11月に3人の非婚シングルマザーが、寡婦控除を適用されないのは人権侵害だとして、日弁連に人権救済申し立てをしたそうです。 そして、自治体によっては、「みなし寡婦控除」を導入している市もあるようです。 寡婦控除の適用に際し、「生死の明らかでない者」の中に、太平洋戦争の終結の当時、まだ日本に帰らない人…と記されており、 戦争未亡人の為に始まった制度とは言え、そろそろ実態とあった税法にしてゆく必要があるのではないでしょうか。 だいたい、婚姻歴があれば、その後、非婚で子供を産んでも寡婦控除を受けられる人との矛盾をどう考えれば良いのでしょう。 寡婦控除は無くして欲しくありません。特定扶養もです。私には必須です。 女一人で子供を育てるって大変なんです。 でも、その中に 「大いなる喜び」 もありますが… 実は、子供に育てられていると痛感している角田千鶴子でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[税金の話] カテゴリの最新記事
|