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皇子は、自分を< 奇人・変人 >と認めますが、それに輪をかけたある地銀の 郡山支店長のお話。
類は友を呼ぶというか、彼も単身赴任ということで、どういうわけか馬が合い、お互いの 事務所を訪問し、話しあうようになりました。そしたら、彼は< 朝駆け夜討ち > ではありませんが、朝晩関係なく自分の都合で、マンションまで押しかけてくるのです。
そして、弊社と彼の銀行との取引関係を、なんとかして作ろうじゃないかとの、相談を 持ちかけられました。
彼は、副頭取( この銀行創家出身で、現在は頭取 )の懐刀らしく、副頭取の ポジションに相応しい弊社の役員を、皇子が連れだす事が出来れば、両者の会談 の場を自分が設定すると。
弊社の国内担当役員が、国内取引を活性化させようと、たまたま全国行脚を 開始したとの情報を得ていました。地方取引の拡大という全社的な機運もあって、 タイミングよく両者の会談が実現しました。
この役員の方は、とても誠実で実直な方であったこともあり、副頭取と意気投合し この会談以後、同銀行との初取引が出来ました。弊社にも、金融事業本部と いうものがありますから、銀行向けの金融商品の提供を行ったわけです。
あるとき、その銀行本店所在地山形に出張した際、二人で飲みました。飲んだと いっても、皇子はいつも通りウーロン茶ですが・・・ 弊社との関係が構築出来、上機嫌の彼は酔いもあったのでしょう、これから自宅に 来いと言うのです。
そう言われても夜の急な訪問は、奥様にとって迷惑千万な事は明白ですから、 固辞。そしたら、急に怒りだして、
( 都会人の悠愛さんは、田舎の家には、来れないと いうのか!! )
どうも、酒癖が悪いようです。仕方なく、ぐでんぐでんの彼を抱えて、ご自宅に。
奥さまから、一応歓迎の御言葉を戴きましたが、心からでないことはわかります。 夜11時過ぎの訪問者なのですから。
( 悠愛さん、これから息子起こしてくるから、彼に 人生訓を説教してくださいな。 )
目をこすって、高校生の息子さんが2階から、降りてきました。皇子がそこで何を 話したかは、全く記憶にございません。
弊社のお取引先で構成している懇親会があり、総会と春と秋のゴルフコンペを開催。 総会には、毎年外部から講師を招聘し、講演をお願いしていました。そこで、彼の 銀行がメインバンクである銀山温泉<藤屋>の売れっ子女将、藤ジニーさんの 招聘を目論み、彼に相談。
ジニーさんは、カリフォルニア出身の米国人ですが、91年銀山温泉藤屋7代目と 結婚し、和服が似合う金髪女将として、当時はマスコミに数多く登場し、時の人 でもありました。
銀山温泉に行き宿泊の上、彼女と交渉すると彼の事前根回しもあったのでしょう、 快諾してくれたのです。 あまりも、美しい方なので、ついでにサインもらってしまいました。
マスコミから引っ張りだこであった、ジニーさんの講演ということもあって、当日は お取引先の皆さんで会場は、溢れんばっかりの盛況。講話は< おもてなしの心 > というものでした。
講演後お取引先の皆様から、
( 悠愛支店長、初めていいこと、したずら。)
と、誉められたのでありんす。
以前にも記事にしましたが、彼女は子供を連れて2008年に米国に戻ったきり帰らず、 高級ホテルに改装した過大投資がたたり、藤屋そのものは2010年会社更生法を 申請。
奇人・変人というのは、社会通念・常識に従わないところから、変わっていると 見られます。しかし、常人では考えられない、独創性と創造性に富んだ人物 であることもあります。
彼の場合も、進取の気性に富んでおり、自分が正しいと信じたことは、がむしゃらに その実現に向けて、突っ走っていくタイプでした。彼からの依頼で、郡山支店の行員に 対する講演会の依頼を受けました。
社内報に掲載するとして、本店から広報関係の方も、出席されました。 行員の方は、みなさんノートと筆記用具をもって、座っています。
( 日本の経済や金融情勢を期待して、集まられている かもしれませんね。 そうであれば、どうぞノートをしまってください。 そんな事は、皆さんの方がプロなのですから・・・ 本日は私の日頃の想いを、徒然なるままに話さして もらいます。 )
数か月後、その記事が社内報に出たとして、支店長が届けにきました。
( 残念ながら、経済的且つ有意義な情報を、この講演会 から何一つ得る事が、出来なかった。 しかし、恒に自分の意志を貫いてきた、悠愛支店長の 生きざま、今の日本では見られない< 侍魂 >を、 その話から感じる事が出来た。 )
あちゃ~~~・・・ ==つづく ==
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