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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
昨日は、かんべむさし氏の「水素製造法」を紹介しましたが、
かんべむさしと来れば堀晃。堀晃と来れば「太陽風交点」 日本SF大賞第1回目の受賞作。わたしは、この短編集を、東京の友人の部屋で読みました。大学生だった友人を訪ね、彼がアルバイトに行っている間に読んだのです。 彼は、SF好きで、特に小松左京のファン。3本の本棚の内1本は丸々、小松左京。 そんな彼が、 「堀晃がすごいんだよ」と言って、すすめてくれたのが「太陽風交点」だったのです。 ハードSF。それも、非常にハード。一生懸命読んでいましたが、大して分かっていなかったのね。 今回読み直してみたら、おもしろいのなんの。 情報理論と立体の充填問題の組み合わせや、人間の脳細胞を培養したクローン脳。 一つの銀河系内の全情報を、星と星の間に置く。つまり、空間を遅延型のメモリーにするのだ。そして、宇宙空間内に発生する超意識。 MHD発電をする結晶生物(多層構造の超LSIが意志を持つイメージ)。この結晶生物は700年周期の楕円軌道上の小惑星にいるため、太陽風の強弱にあわせて、保護膜を700年ごとに脱ぎ捨てる。この保護膜が厚さ0.05ミリ、直径数キロメートルの宇宙ヨットとなって、秒速400キロメートルで慣性飛行していく。 科学的なアイデアから生まれてくる、凄いイメージ。理解が先か想像力が先。作者の頭脳構造をのぞいてみたいものだ。 20年間の時代の経過や他のSFを読んだ事で、やっとわかりましたよ。 でも、20年後に読み返したら「昔は全然、読めてなかった」って言うかも。 それが、読書なのでしょうが。 でも、コアなファンって本当にわかっておもしろがっていたのかな。 堀晃氏のホームページ ← イラスト 加藤直之 カッコイイ ※1 SF街道二人旅は、堀晃とかんべむさしの共著。読んでて時代と若さを感じるな。いつも、二人は一緒のイメージがある。 ※2 紹介する本を、ペラペラめくっていても、結局、全部読み返す事になります。 立花隆が勉強したい方面の連載なり出版なりを、決めてしまう。読みたい事を仕事にしてしまえば、一石二鳥。 と言う話を思い出しました。 ※3 昔、将棋の名人戦の観戦記で、戦っている二人よりも、この将棋の内容が分かる者はいない。特に、アマチュアは、その凄ささえわからないことがある。という意味の記述がありました。 ハードSFも本当に分かって喜んでるのは、少ないでしょうね。わたしは自信ない。 人気blogランキング ←今日は20番、一喜一憂するのもどうかと思うが、気になるもので・・・。一つ押して下され。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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