定価並で購入した日記 （天空の城）

スパークリング日本酒でも澱を除いたクリアタイプのお酒が少しずつ増えてきました。

瓶内二次発酵酒であれば通常は澱がいくらか残るのですが、どのように取り除いているのでしょうか。

瓶内二次発酵で有名なシャンパンの製法と同じ製法だと仮定して、製造工程を推測してみました。



1.瓶詰
　ここまでの日本酒の製造工程は割愛します。

2.瓶内二次醗酵
　お酒は瓶内でゆっくり醗酵し、糖分が酵母の働きでアルコールと炭酸ガスに分解され、炭酸ガスは瓶内でお酒の中に溶け込んでいきます。
　瓶内二次醗酵が終わると活動を終えた酵母が澱となり瓶内に残り、そのまま熟成に入ります。

3.熟成（ヴィエイスマン・シュール・リー）※澱とともに熟成
　澱と共に寝かせることによって、アミノ酸である澱は自己分解をはじめ、旨み成分をお酒へと戻していきます。

4.動瓶（ルミアージュ）
　瓶内二次醗酵後、瓶の側面に沈積した澱を瓶口に集める作業です。
　シャンパンでは二次醗酵で作られた澱は、数週間に渡り毎日瓶を45度ずつ回転させながら下向きに立てられ、最終的には倒立させ、瓶口に集められて行きます。
　天蛙クリアの瓶内に澱が多めに残っていればこの工程は簡素化されていると推察します。　

5.澱抜き（デゴルジュマン）
　而今スパークリングの紹介動画でも公表されていた手法です。
　澱が瓶口に完全に集まったら、冷凍槽に瓶口部分のみを浸し、澱部分を凍らせ抜栓すると、中のガス圧で凍った部分だけが飛び出して来て、澱を除去出来ます。
　新政酒造は、スパークリング日本酒にデゴルジュマンの手法を用いている花の香酒造や木屋正酒造とも交友があるので、同じ手法を用いたのではないかと推察しています。

6.リキュール添加（ドザージュ）
　澱を除去して減少した瓶内の不足分だけ、同タイプのお酒（原酒等）を加えます。
　シャンパンの製法では、糖分のあるお酒を加えていますが、
　新政酒造が何を加えているかは興味深いところです。

7. 打栓
　ドザージュが終わったシャンパンの瓶にコルクが打たれ、圧力でコルクが飛び出さないように針金で締められます。
　天蛙クリアもスクリューキャップではなく、コルク栓でしたね。

8.ラベル貼り（ブシャージュ）
　最後に「天蛙」のラベルを貼ると完成です。


＜編集後記＞

シャンパンの製法は手間がかかるので、価格もシャンパン並みになります。

転売されるくらいなら、販売価格を値上げしていただきたいと思っていますが、価格改定されても追いかけるかは自分でもわかりません。

同価格帯で考えたとき、コメ由来のお酒と、ブドウ由来のお酒とどちらを選ぶかは人ぞれぞれでしょうね。

新政酒造の天蛙、2千円台前半なので購入していましたし、追いかけもしました。

今年発売されるであろう「天蛙10周年記念酒」は、専用の天蛙グラスが付きますので購入に奔走しますが、今後の天蛙クリアがシャンパンと同じ価格だとしたら、モエ･エ･シャンドンかほかのシャンパンでもいいのではと思っています。

日本由来だから、冷蔵コンテナ便で運ばなくてもいいから、同程度の味わいならコスパもよいのが日本酒（地酒）と考えていましたが、このところプレミアム価格の日本酒が目に付くようになりました。

普段使いの日本酒にしては価格は高いのか？
そうでもないかもしれないが、入荷数少なくほかのお酒も購入しないと、酒販店での購入チャンスがなくなってきた現状。

購入にづらいという純粋にお酒を楽しむ要素以外が混じってきて、お酒の購入スタイルが迷走しそうです。

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