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BL駄文・華は夜ひらく

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2009年11月26日
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BL小説です。

私、野瀬寛 31歳独身、趣味は可愛い男を虐める事。。。

鴻山宗次との出会いは桜の散り始めた、三年前の四月、入社式での事だった。
当時、私は人事部の人間だった。
その日は丁度、入社式の手伝いにかり出されていたのだった。
入社式だと言うのに遅刻しそうに成った彼が私にぶつかって来たのが事の始まりだった。
ぶつかった彼は運悪く、手首を捻挫するという事態に見舞われた。
だが私はそんな彼の怪我よりも彼自信に興味を覚えた。
男の割には色が白く、薄い唇はピンク、睫は長く綺麗な真っ直ぐな瞳をした彼に心を奪われたのだ。
私はすかさず手を差し伸べた。

「大丈夫か?」
「申し訳有りません、ご迷惑をお掛けしました」
「怪我は無いか?」
「ええ、大丈夫です」

と気丈な言葉が返ってきたが、表情を見る限り大丈夫そでうで無いのは明らかで後、数分で式への出席をしなければ成らない彼を引き止めた。

「どこか怪我をしたのではないか?」

私は優しい男の仮面被った。
スーツの土を払いながら顔を顰めるのを見落とさなかった、私は手を取り軽く曲げさせた。
苦痛に歪む顔が私の心を無防備に擽った。

「手を捻ったのだろう?」
「いえ、これぐらい平気です」
「そんな顔をして痛いのだろう?医務室に行きなさい」
「式が始まってしまいます」

確かに晴れの席に欠席と言うのは具合が悪い。
式が終われば医者に行く時間が出来るのだ。

「我慢出来るか?」
「はい」

真っ直ぐな瞳で見詰め返してくる。
内心うろたえながらも仕方なく会場入りを促した。
式が終わってから逢えるだろうかと淡い期待を抱きながら彼を探したが見つからない。
結局、会場の後片付けに追われ、彼がどうしたのか知らないまま、一年半の海外赴任を命ぜられ、戻って来た時にはすっかり彼の記憶から忘れられ、上司という立場で接す事に成ったのだ。

つづく

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最終更新日  2009年11月26日 05時22分13秒
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