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カテゴリ:君がいるから
BL創作小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。R-18
首筋に感じる舌の感触、徐々に耳元まで移動してくる。 粟立つ体が震える。 「そんなに俺の事が嫌い?そういう意味じゃないんだよね」 クスリと笑って藤堂が離れて行くと椅子を持って来るとベッドサイドに置き、座った。 足を組み、サイドテーブルから本の様なものを取り出しパラパラめくる。 藤野からはそれが何だか見る事が出来ず、触れられることが無くなり余裕が出来た所為で藤堂の顔をまじまじと見ることになった。 これほど彼の顔をじっくり見る事は無かったがやはり顎のラインやこうして本を見る横顔が似ていると思えた。 おまけにページをめくる仕草までもが似て見える。 「どうしたの?ああ、これがなんだか知りたいんだね」 ドキリと心臓が鳴った。 口調までもがそのものだった。 「似てるでしょ」 言葉が出なかった。 目の前の男が誰で何者なのか混乱し始める。 つうっと指が脇腹をなぞり、ベルトに手がかかったが直ぐに離れた。 「俺の事が怖い?ねぇ、朔耶」 「よ、呼ぶな」 「声、震えてるよ藤野さん」 もう一度、本らしきものを手に取る。 パラリとめくってそこから一枚の紙片を取り出し笑った。 「これ、なんだか分かりますか?」 首を振り、視線をその手に向ける。 「見ますか?」 ニヤリと笑うとその紙片を藤野の目の前に見せ付けた。 見開かれる瞳をみて心の底から湧く笑を押さえ、体を震わす藤堂、その紙片から目を逸らした藤野が震えだす。 「そ、それを何処で。。。」 「知りたいですか?何か交換条件でも付けましょうか?」 「。。。」 「冗談です、あるルートでね」 逸らした顔を無理やり自分の方に向かせると口付ける。 しかし、藤野がそれを許さなかった。 その唇を噛んだ、流れる赤い血を舌で舐め取り頬に触れると鈍い音が部屋に響いた。 「痛いでしょ、俺も痛かったです」 口調は優しいが怒りが宿っているが藤野は構わず睨み付けた。 「そんな顔出来るのも今の内ですよ」 椅子に戻り藤野の顔を見つめアルバムを開いた。 ![]() にほんブログ村 ありがとございます!励みになります! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月23日 03時49分15秒
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