皆様、お待たせ致しました。
「君がいるから」連載再開です。
え~~その前にあらすじを。。。
~あらすじ~
些細なことで喧嘩した栢山と藤野は何とかもとの鞘に収まる。
新入社員を迎える時季に成ってやって来たのは「夏原千沙子」と「藤堂 樹」だった。
紹介される藤堂に昔の恋人の影を見た藤野は動揺を隠し切れない、それを心配する栢山と倉本だった。
そんなある日、新人歓迎会が行われることになる。
栢山は接待でその会には不参加、心配しながらも接待を続けるのだったが、二人は会話を通じて親しくなる。
そして酔った藤野は藤堂に介抱され、自宅へと連れて行かれることになるのだが、そこで伝えられた事実は、藤野の家庭教師だった西本要の甥である事、そして西本は藤堂を養子とし、性的虐待をしていたこと、それは、藤野の身代わりで有り、藤野に興味を覚えた切欠である事そして藤野を探しだしたことを告げる。
栢山と倉本は藤堂の家を突き止め、潜入するのだったが、藤野は無理やり抱かれてしまう。。。。
それを知った栢山が藤堂を殴る。。。
では、宜しければ、続きをどうぞ
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。
殴られた藤堂は崩れ落ち、膝を突いた。
切れた唇を袖口で拭い、きつい目で栢山を睨む、続けて鼻で笑うと倉本を睨んだ。
「なぁ、倉本さんアンタは藤野さんをなぜ抱かない、愛しているのだろ、趣味じゃないか?」
言われた倉本が一番分かっている、それを突かれた。
虫唾が走る思いがする、藤堂ごときに藤野との関係を言われたくはない、彼を睨みこぶしを握る、さっきは止められ殴ることは出来なった。
それが悔しい。
「ああ、愛している、お前なんかとは違う次元なぁあああ」
言い捨てて、倉本が襲い掛かった、それは激しい怒りを全て藤堂に向けるようだった。
繰り出されるパンチ、倒され、馬乗りになられた藤堂は抵抗が出来ない、それは普段の倉本とは違う異常さ、変形する顔、あっけに取られ、見つめていた栢山が止めに入る、倉本の腕を掴んだ。
「離せ!」
「それは出来ない」
「お前は殴って気が済んだのだろ、俺は気が済まない、離すんだ!」
暴れる倉本を必死で止める、気持ちは分かる、一度ならずも、二度までも倉本は藤野を守ることが出来なかったのだ。
「栢山、離せ、栢山!こいつを殺す!」
「出来ない、悲しむのは誰か、考えろ!」
「俺は藤野の為ならばなんにでもなってやる、目の前のこいつをなとかしない限り、藤野は。。。藤野は。。。」
ぐったりと手が落ちる。
掴んでいた藤堂の胸倉から手が離された。
零れ落ちる倉本の涙、こんな姿の彼を見るのは初めてで、こんな感情がこの男の奥に有ったと今更ながら、栢山は思い知らされた。
藤堂の上から渋々、降りる。
掴んでいる栢山の手を振りほどく、最後に一撃、仰向けの腹を足で踏んだ。
「ぐふ、ふっ、ごふぉっ」
激しく咳き込んで起き上がる藤堂、口の中なのか、内臓からなのか、血を床に吐いて不敵に笑ってみせる。
「なぜ、俺は誰も守ってくれない。。。なぜ、ヤツには愛してくれる人がこんなにもいる」
藤堂の生い立ちを考えれば同情すべき言葉だった、しかし、それと藤野を陵辱した事は許すべきことではない。
栢山が前に立って見下ろした。
「甘えるな、お前は助けてくれる仲間を作ろうとしたか?」
藤堂の瞳が閉じられた。
死んだのではないかと一瞬、息を呑んだがそうではなかった、何かを暫く考えている風だった。
藤堂は過去を振り返った。
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