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カテゴリ:焦れる僕を満たして欲しい
BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。R-18
全が僕に触れる。 その場所から熱が火のように全身を這い回る。 腕を握られているだけなのにどうしたら良い、全は服を着ているけれど僕は全裸なんだ、浅ましい思いがばれてしまう。 「全、ごめん手を離して」 そういって全の手を退けてもらってバスルームを後にしようとすると、背中から抱き寄せられて首筋に唇が触れる。 「駄目だよ、服が濡れちゃうよ」 「お前が欲しいんだ、だから一緒に・・・」 何か有ったのか、なんだか普段とは雰囲気が違ってる。 どこか苦しげなのはなぜ、そんな弱々しい彼は知らない。 「全、何か有った」 「何も無い、お前が欲しいんだ、駄目だろうか」 駄目なんかじゃない、僕は全が欲しくて自慰をしてそれでも飢えが治まらなくて、渇望していたと言うのに、許しなんて請わなくても押し倒して犯して欲しいほど欲してる。 「しよ、全が僕を欲しいのなら僕はいつだって淫らになれるよ」 「顕一・・・」 肩に乗せられた頭の重みを感じて、今度は体温を感じたいと願う。 だけど、全の手は温度を失ったみたいに冷たいのはなぜ? 「ベッドに行こう」 そう言うと体が宙に浮く。 正確には抱き上げられた。 幸せだと思える瞬間、全に体重を預けて今度は僕が首筋に頭を預ける。 全の香り・・・え?なにこれ、知らない匂いがシャツから漂う。 「下ろせ」 言ってしまった言葉、全は体を硬直させて見詰めて来る。 「なぜ?」 「ここに来る前に何して来た」 少し足をバタつかせて下ろすように仕向ける。 ああ、何を言っているんだろう、攻める必要なんて無いことは、十分、承知しているはずなのに知らない匂いに動揺しているんだ。 「聞いて、言い訳にしか聴こえないかも知れないけれど、接待でね、キャバクラに連れて行かれた・・・嫌なんだろ、匂いが・・・」 「だから一緒にって、店で嫌な思いした?」 「うん、まぁ」 商売の女性に嫉妬だなんて、相当、飢えてるのだと実感して、全の気持ちを考えないで自分の事ばかり考えていた僕は恥ずかしい。 「抱いて、そのままで良いから僕を抱いてよ、その匂い消してあげる」 「顕一・・・」 BL小説ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月12日 01時41分54秒
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