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カテゴリ:The Blacklist
シリーズフィナーレ。
10シーズンにわたる長い旅が終わりました。 最終回についてはまあ、いろいろ意見はあるでしょうが、私は思ったよりは良かったと思いました。 ただし、あってもなくてもほとんどやらなくても良いような最終回でもあったわけで、まあ、身内向けのものだったのかなという印象です。 瀕死の重傷を負ったデンベをレッドは最寄りの介護施設に運び込み、自分の血を輸血すると外科医を呼び寄せ緊急手術を施させる。 デンベが連れ去られた現場では親友のハドソンを殺されたニクソンが、クーパーのチームがレッドの急襲を知っていたのだろうとクーパーらに詰め寄る。 レスラーは防弾ベストに3発撃ち込まれ、肋骨を折ったが、それもニクソンから見るとラッキーだったと言えるのかどうか。 レスラーはデンベはレッドと一緒に行くことを拒否したと言い、その場にいたイシュウッドも証言するが、敵意むき出しのニクソンは納得しない。 デンベが担ぎ込まれた介護施設が判明し、FBIが駆けつけるが、レッドの姿はなかった。 デンベの手術は成功し、医師は輸血をしたレッドの体調を指摘する。 レッドには休息が必要で「旅に出る」と言っていたという。 感情的になったニクソンは、レッドを見つけたら殺すという。 ハービーはその言葉を聞いて、レッドを探すのに手を貸せないと自ら降りてしまう。 クーパーは残ったマリクとレスラーに意志を確認する。 今のところ、レッドが国外に飛んだという証拠は掴んでいないが、NYの公衆浴場に何か手がかりがあるかもしれない。 クーパーはニクソンにレッドを殺すというなら、ニクソンも責任を取らなければならないと念を押すが、ニクソンは敵意むき出しでクーパーに悪態をつき、クーパーは思わずニクソンを突き飛ばしてしまう。 ニクソンには言わないまま、クーパーとマリクがレッドの根城を調べていると、デンベの意識が戻ったという連絡が入る。 そこにクーパーらを尾行してきたニクソンが突入し、この場所の事を黙っていたチームを疑う。 クーパーは探したければここを探せと言って立ち去る。 レッドはとあるヴィラで体を休めていた。 徐々に体力は回復しており、オーナーのアンヘラに散歩に行きたいという。 マーケットを訪れたレッドは果物などを買ってヴィラに配達するよう頼む。 デンベと電話で話していたシーヤは、先程の公衆浴場でなくなっていたものを思い出す。 レッドが伝説の憧れの闘牛士を倒した牛の頭蓋骨をメキシコから手に入れ、持ち帰っていた。 レッドはその牛の頭蓋骨を故郷のスペインの牧場に戻すつもりなのかも知れない。 セビリヤの近くにレッドお気に入りのヴィラがあり、レスラーが向かう。 レッドはアグネスに様子を聞く電話をかけた後、クーパーにも連絡を入れる。 デンベの枕元にいたため、レッドはデンベの無事を喜ぶ。 レスラーがヴィラに到着し、アンヘラに中を見せてほしいと頼むが、そこにレッドの姿はなかった。 レスラーからの連絡に、デンベはマーケットに行くべきだとアドバイスする。 レッドはレスラーが訪ねてきた事を知り、アンヘラにミウラ牧場の場所を聞く。 ミウラ牧場に何かあるのかと問われ、レッドはそこにいまはないが、あるべきものが大事だと答える。 司法省の極秘会議で、レッドに情報を流したデンベは起訴されないことになった。 しかしデンベは免職となり、クーパーは力が及ばなかったと詫びる。 デンベはレッドについて、冷静に死と向き合い、いかに生きるべきかを追及したレッドが好きだったという。 ディラン・トマスの詩「穏やかな夜に身を任せるな」を引用し、レッドが害を及ぼす敵に対して怒り、愛するものを守るために怒ったという。 光が消えゆくと知りながら平和と喜びと楽しみを見つけ、避けられない終わりが来ることを知りながら情熱を燃やして生きる。 レッドと過ごした我々の時間は「どう終わるか」ではなく、レッドはどう生きるか「怒ること」を我々に示したのだった。 レスラーはマーケットで聞き込みをし、レッドが一昨日に訪れ、ヴィラの離れの方に泊まっていたという情報を得る。 すぐにヴィラに戻るが、レッドは散歩に出た後だった。 牛の骨も銃も残されていた。 レスラーは現地警察に連絡を取り、周辺をヘリコプターで捜索する。 美しい景色を眺めながら牧場に到着したレッドは、雄々しい黒い牛と対面する。 レスラーが駆けつけた時、レッドは事切れていた。 レスラーは「彼を捕まえた」と連絡する。 (完) 実際スペインでロケをしたようですね。 本当に美しい景色で、レッドの死に場所としてはふさわしいというか、結局彼はどういう死に方を選ぶのかという点では、満足できたのではないかな。 憧れのマタドールと同じように牛に殺されたのですし、あの牛だってマノレテ?の子孫だったかも知れません。 個人的には交通事故の巻き添えとか、流れ弾に当たるとか、惨めに路地に倒れていて誰も気が付かなかったとかの方がノワールな感じで好きなのですが、さすがにそうはいかないですよね。(笑) バックで流れていたスペイン語の「My Way」はあまり深い意味がないのかも? 失恋の歌らしいですが、英語で「これが私の生き方だ」だとベタすぎるような気もします。 ともあれ、レスラーが最後に"I've got him!"と叫ぶ終わり方も映画ぽくて、良かった。 落ちていた帽子を被せてやるのは彼なりのリスペクトだったでしょうし、個人的にはレスラーがレッドとの関係に終止符を打った事が満足です。 その後のチームのことはわかりませんが、きっと彼はリズの墓にそのことを報告して、新たな人生に向かって行くのでしょう。 10年たっても美しいスタイルを維持し続けたディエゴが良かったなと思います。 もちろん、このエピソードの山場は涙を流すデンベでしょうね。 寡黙なキャラクターだけに、しかも寝たままだし、見せ場となりました。 レッドから輸血を受けて生き延びたのだから、彼の中にレッドは生き続けるような気がして、デンベはレッドを思い続けながら生きるのでしょう。 クーパーはそれなりに政治力を使って生き延びるのでしょうね。 アグネスを一人前のしなければならないし、もう危ないことはしないで穏やかに生きてほしいです。 で、結局レッドは何者か分からなかったというのが、多分多くの期待を裏切ったのだろうと思いますが、これも想定内かな。 レッドの遺体がFBIの秘密基地に保管されて、あれこれ調べるという終わり方も想像しましたけど。(笑) 制作側もさじを投げてしまったというか、誰でもないし、誰でも良いのですよ。 ジェームズ・スペイダーだったということが意味があって、10年間彼なりのレディントンを演じきったことに感謝したいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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伝説の闘牛士マノレテ……今シーズン第13話=#209 The Sicilian Error of Color でのエピソードがラストシーンにつながるとは!!
この終わり方は……多くの人には受け入れ難いかなぁ。 僕は受け容れました。 レッド=愛すべき大悪人ですから、やっぱり悪人の最期はカッコ良くはなく孤独であること……が相応しいと思っていました。 >個人的には……惨めに路地に倒れていて誰も気が付かなかったとかの方が >ノワールな感じで好き…… コレも良いですねぇ!! >レッドの遺体がFBIの秘密基地に保管されて、あれこれ調べるという終わり方…… こっちはマニアック! >ジェームズ・スペイダーだったということが意味があって、 >10年間彼なりのレディントンを演じきったことに感謝したいです。 そう。ありがとう!!! マノレテについて……デンベ「Raymond's always been very interested in him.」 シーヤ「レッドはマノレテのことをすべて話してくれた。」 ―――A man who found it easier to risk his life than live his life without risk.=リスクなしの人生を送るより、命をかける方が自分に向いていると分かっていた男。 >あの牛だってマノレテ?の子孫だったかも…… 牛はイスレロですね。 マノレテを倒した巨大牛イスレロの頭蓋骨を、その故郷=アンダルシア州の州都セビリア近くのミウラ牛の牧場(37.59637°N 5.47804°Wつまり37°35'46.9"N 5°28'40.9"Wグーグルマップのヴューで見られます)に還しに行くレッド。 (カルモナからだと「徒歩で6時間21分」と出ました。) しかし、レッドは咳~血痰で寿命を悟った、という感じでしょうか。 最後は…… 宿命の追跡者ドナルド・レスラーが接近していると知って……レスラーへの独り言「よくやった、ドナルド」 I wonder what you'd actually do with yourself if one day you finally got your man?=長年、追い続けた男を、ついにある日つかまえたら、一体、君はどうなるんだろうな? ということで、重い頭蓋骨は持たずに……アンヘラが準備した冷たい水だけで「散歩」に出かけ……6時間ぐらい?歩いて水を飲み切ったあと……牧場で、ちょっと小ぶりな「伝説のミウラ牛」と対面。流れてくるのがジプシーキングスのスペイン版の「マイウェイ」……イントロでレッドの最期が予感できましたね。 F.シナトラの英語版(詞はポール・アンカ)とは大きく違う歌詞(フランスの原曲とも違うスペイン版)で……レッド=カタリーナの女歌かな…… ♪あなたは来ない、それは分かってる。 ♪だからもう忘れることにしよう。 ♪新しい愛、私らしい愛をさがそう。 ……ここで1コーラス半も飛ばしてエンディングに突入…… ♪ただの思い出って考える、それで十分。 ♪私の愛は、新しい愛、その方がずっと良い。 ♪最高に素晴らしかった思い出すら、いっそ忘れてしまおう。 ♪そういう私の生き方、できることなら、貫きたい。 >レスラーが最後に"I've got him!"と叫ぶ終わり方も映画ぽくて、良かった。 その後…… レスラーがレッドの帽子を拾ってレッドの頭に載せて……歌も終わる……僕にとっては泣けるシーンでした。 レッドとデンベの関係は、結局、いつも…… Who saves whom and then gets saved themselves. It's been so many times over so many years, I can't keep track. ……お互いが助けあい救われ、ということを長い間、覚えきれないほど何度も何度も繰り返してきた……ということで……首を撃たれて瀕死のデンベに、異常な量の血液を捧げたレッド…… >レッドから輸血を受けて生き延びたのだから、 >彼の中にレッドは生き続けるような気がして…… ……ということでしょうね。 (December 20, 2023 11:46:22 PM)
ベッドでのデンベの感動的な語り。
俺の知る誰よりも、レッドはいつも平穏・冷静に死と向き合っていた。彼は言っていた―――「死は避けられない、死は誰にでも訪れる。その不可避性が死から重要性を奪ってしまう。」「重要なのは必然・不可避ではないような事だ。我われが創り出すもの、新しく見つけるもの……みんなが右に行く流れの中、あえて左へ進むこと。」 「How we live.」 "Go quietly into that good night." を断固として拒否する姿勢が、ずっと好きだった。 スペイダーに代わって、デンベとクーパーがDylan Thomas(1914-1953)の詩を語り合う、という脚本の荒業。死に向かうレッドなので……レッド自身が悪党であることには触れない……生前葬でしたね。 詩は【Do Not Go Gentle Into That Good Night】=あの深い闇の夜なんかに、おとなしく入っていくな=山場は「絶えゆく光に抵抗せよ、激しく怒れ」。 デンベ「思えば……レイモンドという男は、いろんな意味で常に死に囲まれていたけれど、だからこそ、情熱をもって人生をたたかっていた。」「彼は何千回も死にかけたり絶体絶命な状況に陥ったけれど、そういう度に彼は抗い、激しく怒ってきた。」 詩句の引用=To 「rage against the dying of the light.」=絶えゆく光に激しく怒り、「我われみんなに害をなす悪党たちに激しく怒っていた……愛する人たちを守るために激しく怒っていた……平穏とよろこび、楽しみのひとときを得るために…たとえ光が消えゆくとわかっていても。」「最高に熱く人生を生き抜いてきた……最後はみな同じ、避けがたい死があるとわかりつつ。」 「それは、is perhaps the most deeply moving choice one can make.」「これらが、彼と交わした時間の中で俺が得た学びだ。」 「You never imagined this is how it would end. だが、レッドと共にすごした時間、我われが一緒に学んだことは、どう終わるかじゃなく……どう生きるかが大事で、共に経験した彼の冒険譚の中で、レイモンドが絶えず我われに見せ、思い起こせと願っていたことは、激しく怒り抵抗せよ、ということだ。」 デンベ@Hisham Tawfiqの熱演にも拘らず……どう和訳しても、意味がわかりにくいのは、Dylan Thomasのこの詩を僕(ら)が理解していないまま、セリフに「激しい怒り」=rageというキーワードが結論で使われているからでしょうね。 Dylan Thomasの詩の最後の4行は…… And you、死の床にある、我が父よ、ムチャ悲しい状態だけど 派手に涙を流し、俺に八つ当たりしてでも安心させてくれ、お願いだから あの深い夜の闇なんかに、おとなしく入って行くな 絶えゆく光に激しく怒り、死にものぐるいで抵抗を レッドからアグネスへの男子の扱い方=恋の助言…… Agnes, sometimes boys can be so slow, and so dumb. =男の子は時に、おマヌケで鈍感すぎることがあったりする。…… アグネス「Pinky, you're being such a mom.」=ピンキーはすごくママらしい。 レッド「Yeah. I guess I just can't help it.」=そう、ついつい そうなってしまう。 (December 20, 2023 11:47:11 PM)
このシリーズはレッドのインテリのうんちく語りが多く含まれていましたから、最後もそういう形で締めたと言えるのでしょう。
欧米圏の人ならディラン・トマスの詩は誰もが知っているのかも知れないですし、それを格調高くこのドラマの締めに使うことは、美しい最終回に花を添えたという形になったと思います。 ただ、その詩を知っているからこそ、鼻白む視聴者も多かったかも。 とにかく、終わるために終わったという感じの最終シーズンでした。 10年も続いて、ドラマとしては大成功なのでしょうけど、最初から見てきた者としてはがっかりの部類に入るドラマでした。 それでもキャスト、スタッフの皆さんにはご苦労さまでしたと感謝したいですね。 (December 21, 2023 08:32:17 AM)
josetangelさんへ
レイモンド・レディントンとの付き合いも10年。長い間お疲れさまでした。 別ページの「アウトランダー」シーズン7前半も終わり、 DVDによるスタートレック「SNW」は続きますが…… FOXのチャンネ⇒⇒Dlifeの……「SEAL Team5」が放映不明なので、 来月については……迷ってらっしゃる??「FBI」シーズン4ぐらいですか。 続けて欲しいですが。。。 少し早いですが、良いお年を。 (December 21, 2023 07:58:36 PM)
いろいろお気遣いありがとうございます。
例によって、スカパーのドラマ放送が偏ってしまい、当分はregular basisのブログ更新はないですね。 多分「NCISハワイ」の最終回にサムが出るので、それは書くかな。 基本的に更新するドラマを減らしていくつもりなので「FBI」はもう、辞めようと思っています。 だから、ここは「NCIS」と「Law & Order」の「SVU」と「Organized Crime」くらいかな。 FOXさんは何の予告もなく新シーズンを出してくるので、わからないですが、「Seal Team」はそのうち放送があるのじゃないでしょうか。 一応シーズン6のDVDも届いているのですが、忙しくてまだ見ていません。 それよりも、アクションチャンネルで怒涛のヨーロッパドラマが放送されるのが、面白くて飽きませんね。 とりあえず録画していますが、どんどん溜まってきています。 これにアマゾン・プライムだとか、ネット配信ドラマに手を出したら悲惨なことになりますね。 (December 21, 2023 10:19:40 PM) |