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ザビ神父の証言

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2007.12.25
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カテゴリ:国際政治
第一次世界大戦(31)

同盟国側の疲弊

占領地での徴発も、物資や食糧不足の本格的な改善に繋がらなかった同盟諸国(=ドイツ側)の疲弊は着実に進行し、兵士らの戦意は、綻びを見せていました。

オーストリアでは、18年1月に始まった軍需工場でのストライキは、燎原の野火のように各地に広まり、2月にはドイツにまで飛火して、100万人を超える軍需労働者の反戦ストライキに繋がりました。そこでは食糧の増配、戦時利得者の厳罰が公然と要求され、さらに進んで戦時体制の廃止と即時和平とが掲げられたのです。

慌てたドイツ政府と軍部は、徹底した弾圧政策で答え、積極分子は悉く前線に送ることで、ようやくストを抑え込んだのです。

こうして3月から、乾坤一擲大攻勢に出たのですが、皮肉なことにその攻勢の中で、多くの将兵がドイツ軍の将来に悲観的になっていきました。

損失を補填するすべを失っているドイツ軍に対し、在欧アメリカ軍は、7月には100万人に達し、さらに毎月25万人規模で、増援部隊が到着する手はずになっていました。

4月以降は、比較的余裕を持ってドイツ軍の攻勢を凌いだ連合軍は、7月に入ると大量の戦車を先頭に反撃に出ました。持ち堪えられずにドイツ軍は敗北し、退却に次ぐ退却が始まりました。連合軍は豊富に準備したトラックに分乗して前進するのに対し,ドイツ軍は軍馬を使って物資を運び、兵士は徒歩で退却するのです。軍馬の飼料にすら事欠くようになったドイツ軍の軍馬はやせ衰え、物資の輸送は余計に滞ったのです。

戦いの行く末に希望を持てなくなったドイツ軍将兵の絶望感は、退却を諦めての大量の投降となって現れました。7月のみで30万人を超える将兵が捕虜となりました。

オーストリア軍では、2月のカッタロ軍港での水兵の反乱に続いて、大規模な蜂起や集団脱走が続き、イタリア戦線での攻撃失敗もあって、6月中頃には、南部戦線の戦力は半減したのです。

ドイツでも8月に入ると、脱走兵と休暇からの未帰還兵の合計は100万人を超えました。ようやく大戦の終りが見えてきたのです。
                           続く





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最終更新日  2007.12.26 02:01:12
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