カテゴリ:国際政治
第一次世界大戦(32)
ドイツの混乱 戦争末期の、敗色濃い国の軍部ほど身勝手な存在はありません。第一次大戦時のドイツ軍部がまさにそうでした。 東部方面から撤収した全兵力を投入した西部戦線での大攻勢が、失敗に終った7月下旬には、ドイツ軍に勝ち目がないことは、誰の目にも明らかでした。 追い討ちをかけたのが、バルカン半島での戦闘に敗れたブルガリアの戦線離脱でした。9月15日に始まったマケドニア戦線での戦いは、数日のうちに、連合軍の勝利となり、ブルガリア軍は崩壊しました。バルカンに出来た大きな穴を埋める力を、西部戦線に全兵力を注ぎ込んでいるドイツには、もはや残っていなかったのです。 オーストリア=ハンガリーも、オスマン帝国も、近い内に降服するに違いない、そうなってからでは、交渉でドイツに有利な条件を引き出すなどということは、到底不可能となるだろう。 こう考えたドイツ軍は、9月下旬になって方針を転換、連合軍に休戦を申し入れることを決意するに到ったのです。しかし、軍部の提案では、相手側に無視されることもありうると、軍部自らが、軍以外から宰相を推薦すると言う不可思議な事態になったのです。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.27 02:28:19
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