カテゴリ:国際政治
ミャアンマーはどうなる その3
コメントで気にされている方が多いことが分かりましたので、先へ行く前に中国共産党との関係を知る入ておきます。 ミャンマー特に軍隊と中国との関係は、決して良いわけではありません。むしろミャンマー軍の幹部は、過去の苦い経験から、中国軍に強い警戒心を持っており、中国政府もスーチー女史やNLDに接近していました。事情は、建国当初からウ・ヌー首相時代、さらにネ・ウィン軍事政権の時代に遡ります。 当初は国共内戦に敗色濃厚となった国民党軍の一部が当時のビルマに逃げ込み、中国との国境地帯を占拠して、そこを中国共産党軍に対する反抗基地として軍事浅慮、強制的にビルマ東北部を戦場にしてしまったのです。その中国国民党の残党は、49年の中華人民共和国の建設時には駆逐されましたが、今度は大陸中国を制覇した共産党軍が、国境地帯に多い少数民族をたきつけ、当時のビルマ政府からの独立を唆したりしたため、政府は中国共産党が裏で手を引く反政府独立運動の鎮圧に悩まされることになったのです。 最後は、ウ・ヌーもネ・ウィンも、アプローチの仕方は異なるのですが、ビルマ的社会主義を標榜するに至るのですが、毛㏍として、中国の介入がビルマ国内の混乱を助長し、ビルマ経済の成長を阻害し、ビルマ現ミャンマーを、長く最貧国の状態に押し込めることになったのです。 ミャンマー軍は、こうした中国に対する警戒心をと良く持っています。そして中国は、隣国ミャンマーへの影響力の強化を狙って、ミャンマーへの出資をつづけ、ミャンマー企業との合弁会社を通じて、出資を続けています。そんな状態ですから中国もミャンマーの政治的混乱は望んでいません。一時の混乱が落ち着けば、再びNLDとスーチーさんの政府が復活するとでも踏んでいるのでしょうか。最初は、介入の姿勢は見せませんでした。 こうしたミャンマーと中国の微妙な関係は、先刻承知しているアメリカやヨーロッパは、そのため大変歯切れの悪い経済制裁でお茶を濁しています。不仲の中国の側へミャンマーを動かしたくないからです。強力な経済制裁で、ミャンマー政府を中国の側へ押しやることは、何としても避けたいからです。軍部はその辺まで読んでいて、強硬姿勢を崩さずにいるのかもしれません。 ですから、ミャンマー政府を中国に近づけないようにしながら、国民一般への殺戮をやめるように、軍部を説得する必要があるというこのことになるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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