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テーマ:アメリカ外交史(232)
カテゴリ:米外交史
武器庫襲撃とドッドの愚問
スタージスが暗殺に関与していたのか、というトリプレットのせっかくの面白い質問がここでドッドからの質問で遮られてしまった。これこそが今回のロレンツ証言のクライマックスといってよかったにもかかわらずだ。このトリプレットの質問は後に再び繰り返されることはなかった。 質問を替わったドッドは、ケネディ暗殺事件とはあまり関係のない武器庫襲撃に固執しており、質問の内容もロレンツに対して攻撃的だ。おそらくドッドは最初からロレンツのことを信用していなかったと推測される。別に疑り深いことは問題ないが、あまりにも挑戦的なのでロレンツが怒り出す場面もある。このドッドの態度は最後まで変わることはなかった。 議長がドッドに質問するよう促した。 ドッドは「ありがとう、議長」と言って、質問を始めた。 「ロレンツさん。あなたは過去に何回か、武器庫の襲撃を手伝ったことがあると言いましたね?」 「はい」 「そして、あなたの役割はおとりであると?」 「はい」 「襲撃の際のあなたの役割について、少し簡潔に教えてもらえませんか? どんなことをやったのですか?」 「みんな黒ずくめで車に乗り込むんです。私はいつも助手席に座るんです。だれかそばを通ったら、私がボーイフレンドとデートしているように見えるようにです。黒い服を着た二人が外に出て、見張り番に気を付けながら、武器庫に忍び込み、武器を盗んでくるのです。私たちはだれか近付いて来る人の注意をそらしたり、シグナルを送って、警戒を促したりしていました。武器を積み込むために後ろにもう一台車を用意していました。私はただそこにいて、だれか来たら、フランクや彼のグループからその人の注意をそらす役目をしていました」 「基本的に、いつも同じグループと行動していたのですか?」 「はい」 「同じ人間、一つのチームとして同じメンバーでしたか?」 「はい」 「あなたがグループとかかわっていた間、何回、武器庫から武器を強奪しようとしたのですか?」 「何回か正確に覚えていません」 「五回?」 「何ですって?」 「五回、十回、二十回、五十回?」 「いいえ。十回か、十回以上」 「それらは基本的に同じ地域でやったのですか?すべてフロリダ州でしたか?」 「いいえ。ノース・カロライナ州、サウス・カロライナ州、アラバマ州、ルイジアナ州も」 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.10.09 09:57:59
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