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テーマ:アメリカ外交史(232)
カテゴリ:米外交史
再びダラス暗殺行
武器庫襲撃の話はここでやっと終わった。ドッドの質問は次にロレンツがオズワルドらと車に乗ってマイアミからダラスに出かけたという旅行の話に再び移った。 「六三年十一月のマイアミからダラスへの旅行の話に戻らせて下さい。あなたの証言では、十一月二十二日の約二週間前にダラスに出かけたことになっています」 「違います」とロレンツはきっぱりと否定した。ロレンツは先ほど「約一週間前」と言ったのだ。ドッドはさっき何を聞いていたのか。無理解な質問を続けるドッドに対して、ロレンツはちょっとむっとした。 「二週間前ではなかったと?」 「そうです」 「それより早かったのですか、遅かったのですか?」 「十六日です。それというのも、その日が、私にお金がなくて、私がやっと見つけたベビーシッターのウィリー・メイ・テイラーが娘を預かってくれることのできた唯一の日だからです。そのベビーシッターは娘のことをかわいがってくれて助かりました」 「十一月十六日だったのですか?」 「はい、その日です」 「それがその旅行の日にちだと?」 「はい」とロレンツは答えたものの、本当は確信があったわけではなかった。多分十六日で間違いないとは思っていた。 「オーケー。あなたたちは二台の車に分乗して出かけた?」 「はい」 「そして、私が数えたところあなたたちは全部で八人だった。ノボ兄弟で二人、ペドロ・ディアス・ランツを入れて、これで三人。ヘミングで四人。スタージスで五人。オーランドもあなたたちと一緒でしたね?」 「はい」 「それで六人。オズィーが七人目で、あなたを入れて八人」 「はい」 「その旅行には八人がいた?」 「はい」 「そして、あなたの乗った車にはスタージスがいた?」 「その通りです」 「二人のノボ兄弟もあなたの車だった?」 「はい」 「それは約二日の旅程だった?」 「はい、ずっと運転してです」 「スタージスとノボ兄弟に関して、ダラス行きの目的という観点から、もうちょっと明確にしてもらえませんか?」 「それはできません。だれも何も聞いてはいけなかったのです。私たちは命令を受けました。私たちはフランクが"お前の意見は何だ?"と、聞いたときだけ、話すことができたのです。彼はその時は、何も聞きませんでした」 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.10.13 09:07:06
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