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テーマ:そうだ、お寺に行こう。(109)
カテゴリ:古刹
2021/09/11/土曜日/晴れ小雨もあり
何と言ってもここは素白先生の旧居のあったらしい所の古刹だ。どうやら先生は小学生途中から妻帯後にかけ住われたと拝察するが、次第に小家が建ち込み「芝小山町の台地に登る渋沢邸前の坂」が見えなくなった様子が『素湯のような話』にも出てくる。 ところがまあ、今の風景はこうだから当時の人の想像を絶することだろう。かつての小さな住宅地は地上げされてこんなマンションが建った。まるで近未来の卒塔婆のようでもある。 縁起によれば、善福寺は平安時代空海が関東に真言宗を広めるため、西の高野山に模して東の麻布山として開山された由。鎌倉時代親鸞聖人が善福寺に逗留された折、当山住職了海上人、天才と呼ばれた名僧が親鸞聖人の高徳に導かれ全山あげて浄土真宗に改宗した、とある。 素白先生曰く「この寺に詣でる人で注意深い人は、門徒寺であるにかかわらず開山堂の軒に鰐口の掛かっているのを訝るであろう」とある。 ああ、私はこれを見逃したけれど、これによりこの寺の真言であった事が了とされる訳だ。 「化を与えた親鸞の偉なることは言うまでもないが、化を受けて直ちに宗風を転じた了海の宗教的感激に私は打たれる。」と続く。 他に見所も多く、かつて江戸の水源にもなったらしい柳の井、親鸞聖人の杖から根付いた逆さイチュウ、最初のアメリカ公使館、福沢諭吉、越路吹雪のお墓も。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.16 19:52:37
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