3021/09/16/木曜日/晴時に曇
〈DATA〉
筑摩書房/2021年出版
田中克彦著/
〈私的読書メーター〉から
〈著者曰く「本書はアンチアルタイストが、熱烈にウラル・アルタイ説を説いた一冊」。確かにこんな意気軒昂は社交辞令としての忖度を身に馴染ませた平成学者には望むべくもない筆先だ。科学は西欧で生じその言語で揺籃されたから屈折語の印欧語こそ文法的に最大進化を遂げたとする言語優生思想はウラル山脈のこちら側でも膠着語モンゴルで起きていると。3領土分割のモンゴルで亜欧語ロシア語や孤立語中国語に入替えの愚は殆どジェノサイドであると。日本語を捨てようとした森有礼の考察は公平だ。膠着語日本語で考えノーベル賞受賞の益川氏に哀悼。〉
エスペラント語が言語の祖型を英語に得ながら文法としては膠着語に従っていることの著者らしい解釈に妙に説得される。
さて、そのエスペラント語。
今一番読みたい本にランクインしている、小林エリカ『最後の挨拶』は彼女のお父様の回顧録らしい。
お父様は精神科医にしてシャーロキアンの小林司氏で、同時に日本エスペラント会の重鎮でもあられたそうだ。エスペラント語といえば、宮沢賢治もまた熱心にこれに関わった。