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テーマ:読書(8199)
カテゴリ:本日読了
2023/11/21/火曜日/穏やかな日和
〈DATA〉 編者 河井寛次郎記念館 発行所 講談社 講談社カルチャーブックス129 1998年10月5日 第一刷発行 〈私的読書メーター〉〈耳目に届いていても実は何一つ知らなかった。そんな事ごとの山に分け入り、丹念に葉裏まで確かめながら何事かを感じ考え糧にして生きていく「暮らしが仕事」になればなぁ!天才寛次郎は、土を捏ねてもロクロ回しも釉薬研究、上手の中国、李朝の写しにも遺憾無く才能を発揮した。当時柳宗悦とは誌上議論がぶつかり不仲だった。京都疎開中の柳宅を訪ねようと後輩濱田庄司に促され、渋々の体で訪ねた先で柳の木喰仏に遭遇する。寛次郎の魂消た反応をみて一瞬の内に彼らは氷解する。晩年民藝のその先へ全く自由になる作品群は岡本太郎のエネルギーの如く〉 同じ講談社の自然科学系ブルーバックスに対応するのか、人文系カルチャーブックス。 シリーズ発刊の言葉は野間佐和子氏。 「新しい時代において、私たちがなすべきことは、「物質文明」の追求ではなくて、「精神文化」の充実を図ることであり、国際化がますます進む現代社会において必要とされるのは、ビジネスのことだけではなく、自国、他国の文化を理解することです。…」 経済大国も今は昔。 インドや韓国にも抜かれそうな具合で、貧困層は3度のご飯が頂けない一方、世界二位の金持ち者数とか?ただし2021年の円レートらしいけれど。 いつの間にか、ほんとに歪な国になったもんだ。 「物質文明」はお金がなくちゃ対応不能でしょうが。「精神文化」ならいつでも対応可能。 世界のトレンドに即しているなあ、わがニッポン あ、金持ちが世界二位ほどいるんだっけ。私とは縁もゆかりも無いからツイよその国のように思う。 貧しいことは恥ずかしいことでは無い。 恥ずかしいのは人間の品位を貶める行為だ。 私の親はそのように子の成長を促したけれど、今になって周囲を見回すとそれは少数派だったかもしれない。 バブル以降の世にあって、隔世の感がある価値観ではあるけれど、それが私の「美の標準」だ。 たまにその標準を持ち合わせ生きる人を見つけてはとても嬉しく心が軽くなる。 河井寛次郎もそのようなひとの一人と確信する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.21 09:51:01
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