烏石をたどって
2021/09/11/土曜日/曇雨後晴ふと思い立って素白先生の「石を探した話」に出てくる〈烏石〉の来歴を散歩しようと出遊先生は少年時代に地元の古老から昔近所に珍しい石があった事を耳にする。爾来折に付けその石の探索をし、江戸の古地図に「字タカ石」と麻布ニノ橋付近にある事を発見する。更に江戸名所図会に、この石が大森海岸の磐井神社に移された事を見出す。↑右が磐井神社に据えられた石碑「烏石碑記」左は善福寺柳の井の小碑で、烏石を自分の号とした松下烏石の書そうして大戦前にこの社を訪ねて、とうとう「烏石碑記」の三百字ほどの碑文を読み下して全て明る見となった。先生は戦後もここを訪ねてこの石に合い見える。石を巡り時は明治から昭和に移ろったが、石から見ればほんの瞬きほどの時間だろうか。神社にお願いすると果たしてこの石を見学させて頂けた。大変ありがたい事で、何となし素白先生にも感謝の念が湧く。