ヤクスギ閑話
鹿児島県屋久島では樹齢1千年未満を「小杉」、樹齢1千年以上を「屋久杉」、 植林された杉を「地杉」と云います。 固有名をもつ屋久杉には、縄文杉、大王杉、翁杉、ウィルソン株、夫婦杉、仁王杉、三代杉、太古杉、龍神杉、風神杉、雷神杉、仏陀杉、小田杉、天柱杉、母子杉、三根杉、弥生杉、奉行杉、七本杉、万代杉、モッチョム太郎、花子杉、大竜杉、川上杉、紀元杉、大和杉、千年杉、淀川大杉、天皇杉などがあります。 屋久島は江戸時代、薩摩藩の領地であり、米の代わりに年貢として杉の平木(屋根を拭く板)を納めていましたので、原生林といっても人の手が入っており、当時、伐採された切り株があちこちに残っています。 だから屋久杉の巨木についても伝説が残っており、その伝説をもとに縄文杉を発見したのが、上屋久町職員だった岩川貞次さん(故人)です。 岩川さんによると高塚山周辺には縄文杉の他にも2本の巨杉の言い伝えがのこっているとのこと。 また桃平北側にも巨杉があるそうです。 私も学生時代に幻の大杉を捜しに山中に入ったのですが、見つけることはできませんでした。 屋久島には地元鹿児島大学の農学部や地学部の連中が研究のため相当数、山中に入っており、もし見つけるとすれば彼らでしょう。 尤も沢は急峻で危険なので、近付かないでしょうが。 事実、多くの遭難者が行方不明のままになっています。